はじめに
7月28、29日に代々木公園で開かれた台湾フェスタにて、3年連続MCを務めた女優の大久保麻梨子さん。初めて台湾を訪れた時に一目惚れし、わずか半年で移住を決意。ドラマや映画に出演し、台湾のエミー賞と言われる“金鐘獎”で最優秀助演女優賞を受賞するなど、今後の活躍が期待されています。今年台湾生活7年目となる大久保さんに、イベントの合間を縫ってお話を伺いました。
Photo/芹澤裕介
まだまだ知られていない!? おすすめ台湾グルメベスト3
―――台湾フェスタでのMCは今年で3回目ですが、いかがでしたか?
こんなにたくさんの人の前で話すことはなかなかないので、3回目とはいえ緊張しましたね。年々来場者が増えている気がして、台湾に興味を持ってくれるのが嬉しいです。
―――イベントでは屋台もたくさん出ていましたが、大久保さんおすすめの台湾グルメベスト3を教えてください!
1位:酸菜白肉鍋(スワァンツァイパイロウグォ)
文字通り、酸味のある白菜の漬物と、豚肉の入ったお鍋です。初めて台湾を訪れた時に食べてその美味しさに感激! さっぱりしているので、油が多めの豚肉でも飽きずに食べられるお鍋です。豆腐と麹を塩水で発酵させた「豆腐乳(ドウフールー)」を使った、白濁ピンクのタレを付けていただきます。台湾独特の調味料で、味噌のようにコクが増すんです。
2位:麻油腰花湯(マーヨーヤオホワ)
ごま油をたっぷり効かせたスープの中に、鶏肉が入っている麻油雞(マーヨージー)が一般的なのですが、私が好きなのは豚の腎臓が入った麻油腰花湯! プリプリっとした見た目に驚くかもしれませんが、食べるととってもクリーミーでクセになる味です。血の巡りをよくする効果があると言われているので、冷え症などに悩む女性におすすめです。
3位:黒糖氷(ヘーイタンビン)
黒糖が入った甘い氷の上に、タロイモや小豆を甘く煮たもの、茹でピーナッツやゼリーなど好きなトッピングを乗せる夏にぴったりのスイーツです。日本のかき氷のようなふわふわではなくて、氷が大きくてザクザクとした食感です。
氷はこれくらいの大きさ。素材を生かした自然な甘みなので、飽きずに食べられます。
台湾通の人もいると思うので、日本ではまだまだ知られていないものをあえて選んでみました。ほかにも甘辛く煮たお肉をご飯に乗せた「魯肉飯(ルーローファン)」や、もちもちの生地に胡椒を効かせた豚肉餡が入った「胡椒餅(フージャオビン)」など、台湾には小咆(シャオチー)と呼ばれる大衆料理がたくさんあります。現地の屋台や夜市の出来立てが一番美味しいので、ぜひ味わってみてください。
台湾にリゾート!? おすすめの穴場情報も
―――フェスタをきっかけに台湾に興味を持った方も多いと思います。これから台湾を訪れる方におすすめのスポットを教えてください。
1、2泊の短い旅であれば、台北だけでも十分満喫できます。もう少し時間があるようなら、台北から新幹線で1時間くらいの台南がおすすめです。オランダ時代や日本統治時代の古い建物が残っていて、日本の京都のような、歴史ある街並みを楽しむことができます。最近では古い建築物をリノベーションしたお店やホテルも増えているので、台北のホテルと比べてみるのもいいかもしれません。
あまり知られていないところでいうと、台湾の離島「澎湖(ポンフー)」がおすすめです。台北から飛行機で約1時間、台湾のリゾート地です。民宿を出るとすぐ海! という絶好のロケーションで、潮干狩りや白浜での海水浴、島ならではの新鮮な魚介料理が楽しめます。
台湾人の温かさが大好き!
―――大久保さんが考える台湾の良さはなんでしょう?
グルメも観光地ももちろん素敵ですが、台湾の人は本当に親切で温かくて、そこが大好きなんです。私が初めて台湾を訪れたときは、言葉もなかなか通じなくて。それでもみんな一生懸命耳を傾けて、筆談しながら応えてくれました。そうした親切なところは日本人と似ている気がします。いまでも、思いたったらすぐに出かけて、旅先では現地の人におすすめを教えてもらうことが多いんですよ。台湾を初めて訪れる方は、積極的に現地の人に話しかけて、人の温かさに触れてもらえたら、きっと台湾のことが好きになると思います。
移住当初は中国語に苦戦したという大久保さんですが、最近では日本語のほうが危ういかも……とすっかり台湾に溶け込んでいる様子。一目ぼれから始まった台湾生活の中で感じた魅力は、台湾リピーターにとっても参考になりそうですね。
◆大久保麻梨子(OKUBO MARIKO)
長崎県佐世保市出身、福岡県、兵庫県育ち。2003年にデビューしたのち、中国語を独学で勉強し、2011年から活動拠点を台湾に移す。2013年には台湾ゴールデンベルアワード最優秀助演女優賞を受賞。
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