楽天グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY株式会社は、運営する民泊仲介サイト「Vacation Stay」の総登録数が3,000件を突破したことが明らかになった。このうち許認可確認済の件数は〇〇〇 件となっている(2018年8月1日時点)。
「Vacation STAY」は、届出を行うことで民泊営業を可能にする住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行にあわせて6月15日にオープンした民泊仲介サイト。
Vacation STAYへの登録が増加している背景には、約9,500万の楽天会員に対して宿泊施設の露出が可能となるのに加えて、Booking.comやAsiaYo、HomeAway、Yanolja、Agodaなど世界各国の民泊予約サイトへの一括掲載や在庫管理ができる点が挙げられる(※)。
露出を拡大したい宿泊施設にとって最大の強みとなるのがオンライン旅行サイトの「楽天トラベル」にもVacation Stay経由で将来的には自動掲載ができるようになる点だ。
Vacation STAYは、同じく楽天グループとしてホテルや旅館向けに在庫連携システム「ねっぱん!」を展開するクリップスと連携することで、「ねっぱん!」を利用中の宿泊施設がVacation STAYに掲載するのも後押しする。
▼Vacation stay提携サイト(※Airstair調べ 2018年9月現在)
サービス名 | 主な展開国 | 連携ステータス |
楽天トラベル | 日本 | 調整中 |
Booking.com | 世界70カ国 | 連携済み |
AsiaYo | 台湾 | 連携済み |
途家(tujia) | 中国 | 連携済み |
HomeAway | 世界190カ国 | 2018年中 |
Yanolja | 韓国 | 2018年中 |
Agoda | アジア | 調整中 |
楽天グループの「ねっぱん!」とAirbnb連携の衝撃
ホテルや旅館向けの在庫調整システム「ねっぱん!」を展開するクリップスと民泊仲介サイト世界大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、システム連携し2018年10月からサービスの提供を開始することを発表した。
ねっぱん!を展開するクリップスは2012年から楽天グループの一員となりホテルや旅館向けに初期費用、月額利用料無料でクラウド型のサイトコントローラーを提供。ねっぱん!は、2018年9月現在8,000施設で導入されるなど業界最大級のシェアを誇るまでに成長している。
楽天グループの「Vacation Stay」は、同サービスの強みの一つとして「ねっぱん!」を通じて楽天トラベルなどの国内外OTAへ掲載できることを打ち出してきたが「ねっぱん!」とAirbnbのシステム連携により強みは打ち消された。
さらに、ねっぱん!はAirbnbに加えて台湾の民泊仲介サイト「AsiaYo」(アジア・ヨー)とも提携するなど民泊仲介サイトのシステム連携を強化。楽天グループのねっぱん!の快進撃に同じく楽天グループのVacation Stayはそのシェアを奪われかねない状況になりつつある。