楽天LIFULL STAY株式会社と楽天株式会社は11月29日都内で記者会見を開き、民泊・簡易宿所向けのブランディングおよび運用代行サービス「Rakuten STAY」の提供を開始いたことを発表した。法人事業者向けの受付は本日より開始し、個人事業者向けは来春をめどに受付開始するという。
「Rakuten STAY」は民泊や簡易宿所などの宿泊施設の運営を行いたい法人・個人の不動産オーナーに対し楽天が「Rakuten STAY」ブランドを貸与。楽天とLIFULLの共同出資会社である楽天LIFULL STAYが、導入コンサルティングから施工、清掃などの運用まで委託会社の協力を得て一括して行う。
不動産オーナーにとっては、「Rakuten STAY」を利用することで施設の立ち上げから運用までをお任せすることができるほか、「Rakuten STAY」ブランドのコンセプトに基づいた設備やアメニティグッズを提供できる。将来的には「街にSTAYする」というコンセプトのもと、1つの街にハブとなる施設を作り、鍵の受け渡しなどのサービスを提供する計画。
利用者にとっては、「Rakuten STAY」に宿泊することで、どこでも一貫したコンセプトに基づいた設備、アメニティーの提供や付帯サービスを受けることができる。
楽天LIFULL STAYが提案する新たなサービスとは
楽天株式会社の武田氏は「今回の提携によって、1.部屋の設備、2.アメニティーグッズ、3.サービスレベルの3つの品質を担保することを目的とし、安心・安全に使える民泊サービスの展開」を目指していると語った。
また、サービス内容とビジネスモデルの展開で両者が協力することによるメリットについては「ブランド力を用いた販売効率の向上」、「民泊クオリティの疑問視を払拭することによるADRの向上」、「ブランディング・運用代行サービスを包括的に運用」、「カスタマーサポートにも対応することで、双方が安心できる」という。
また、楽天ステイの特徴としては防音用の壁となるファンクションボードを取り入れることに加え、楽天ブランドのアメニティグッズを取り揃える。
ファンクションボードでは民泊大きな課題であった近隣トラブルの解決を目指すと同時に、より快適に過ごせるような空間を演出。アメニティグッズはシャンプーなど一般的に用意されるものはもちろん、傘など、他の宿泊施設にないようなものを設備に加えていくようだ。
今後の展開としては、「リゾートタイプやキャンプタイプなど観光大国に繋げるコンテンツとして様々なタイプの展開を考えている」と語る。サービスの開始時期については法人向けのシステムは本日解禁。個人向けは年明けをめどにサービスの受付を始める。
楽天ブランドで様々な施設サービスを展開できるワケ
株式会社LIFULL代表取締役の井上氏は「当社の強みである、国内最大の不動産・住宅サイトが網羅しているあらゆる情報を提供。自社が抱えているリノベーション施工やインテリアの子会社を通じて、楽天にしかないブランド力を一層に強めていくことが期待できる」と語った。
リフォーム・リノベーション施工を行う株式会社Lifull Remodelは2016年に立ち上げた子会社で、自社での施工に加え信頼性の高い会社の紹介が可能になる。
また、民泊用インテリア・家具の提案をするのは、株式会社LIFULLインテリアとKAMARQ HOLDINGS PTE.LTDと協力して、海外の工場を活用し、こだわり家具の提供をできるようにする。
リノベーションの展開でも新たなプラットフォームを準備中であるといい、リフォームを検討しているオーナーに投資家が投資することで、最終的なリターンを受けるという不動産投融資型クラウドファンディングのサービスも来年1月をめどに始める。
これまで民泊の運営ではホスト自身が部屋のインテリアや内装を考える必要があったが、「Rakuten STAY」を利用すると楽天ブランドを活用した宿泊サービスの提供ができるようになるのは魅力的だ。
一方で宿泊施設の運営では複数のOTAや民泊サイトに掲載することが一般的となるが、競合のブランドイメージが全面に出た物件をAirbnbなどに掲載できるのか競合他社の動きに注目したい。