フジドリームエアラインズ(FDA)や愛知県は、デザイナーのコシノジュンコ氏が演出する「富士山遊覧フライト」と特別ショー「―道―DOU―」を1月17日に実施した。
「武士道をテーマとした中部国際空港を核とする特別な体験提供事業」として、観光庁の調査事業の一環として実施したもの。訪日外国人富裕層を対象とするツアーの造成や、空港でのイベントの開催、発酵文化のPRを事業内容としている。
愛知県では、中部国際空港でのインバウンド需要の拡大や、ネットワークの拡充に向けて、訪日外国人に人気が高い「武士道」をテーマとしたイベントやツアーを開催し、地域の魅力を発信しているという。中部国際空港での武道とファッションが融合したイベントの開催は始めて。
ツアーは2便に分けて行われた遊覧フライトと、中部国際空港での特別ショーの二部構成。特別ショーは4階イベントプラザのほか、1階のセンターピアガーデンで行われた。
遊覧フライトは、午前8時半発のJH5401便と同10時発のJH5402便の2便を運航。中部国際空港から北アルプスや富士山上空を巡る約1時間のルートを飛行した。それぞれ乗客79名、68名が搭乗し、外国人の姿もみられた。
色とりどりのヘッドレストカバーは、FDAの制服姿のコシノさんのイラストが描かれた、今回のチャーターフライトのためにデザインされたもので、降機時に参加者にプレゼントされた。
水平飛行に入ると、サックス奏者の三四朗さんが生演奏を繰り広げ、コシノさんによるアナウンスで機内は盛り上げた。富士山周辺は快晴で、高度4,700メートルの至近距離から左右ともに山頂から山麓まではっきり見渡せた。
FDAの客室乗務員の制服デザインはコシノさんが手掛けており、客室乗務員に質問する参加者の姿もみられた。
参加者には、トートバッグに入ったお茶や飛行機型モナカ「モナジェット」などのお菓子のほか、FDAの制服姿のコシノさんのイラストが描かれたキーホルダー、搭乗証明書が配布された。
4階のイベントプラザでは忍者や剣道、空手、書家によるパフォーマンスの後、1階のセンタープラザに移動し、”和”と”モード”が融合したファッションショーを開いた。パフォーマンスやファッションショーはツアー参加者のほか、一般客も観覧できた。
センタープラザにはランウェイが設けられ、黒と金を基調としたスタイリッシュなドレスを纏ったモデルがランウェイに登場すると、観客は写真や動画に収めていた。
コシノさんは、大阪・岸和田生まれ。文化服装学院デザイン科在学中に新人デザイナーの登竜門とされる装苑賞を最年少で受賞。1978年よりパリコレクションに参加し、北京、ニューヨーク、ベトナム、ポーランドなど世界各地にてショーを開催し、国内外から高い評価を得ている。オペラやブロードウェイの舞台衣装、スポーツユニフォームといった服飾のデザインのみならず、花火やインテリアも手がけるなど幅広い分野で活躍している。