ATRは3月18日、2021年以降の事業再生計画を発表した。
機体の改善による、運航効率の向上や整備費用削減のほか、貨物専用機や短い滑走路での離着陸ができるATR42-600STOLの導入促進、数年間で置き換えが予想される約900機のリージョナル・ターボプロップ機の更新需要獲得を目指す。また、持続可能な航空燃料(SAF)の可能性について調査を継続し、二酸化炭素の排出量削減技術の研究を進める。
ATRは2020年、10機の航空機を納入し、6機を受注している。新たに9社がATR機を導入し、84路線が新規に開設された。12月には、初の貨物専用航空機がフェデックスに納入されている。
ATRのステファノ・ボルトリ最高経営責任者(CEO)は、「2020年は旅行業界にとって困難な年でしたが、今年の終わりまで改善を期待することは難しいでしょう。ただし、この危機的な状況を全体として見ると、地域の空の移動が提供してきた重要な接続性という点で、欧州と北米ではATR機がより魅力的なものになりました。一方、アジア太平洋地域、南米、アフリカのように地上インフラが実用的でなくサービスの行き届いていない地域にとっては、依然ターボプロップ機は最良の選択肢となっています」と、自信を示した。