京都市交通局は、新型コロナウイルス感染拡大による乗客数の大幅な減少で、市バス・地下鉄事業が危機的な状況にあるとして、バス一日券の700円への値上げなどを含む見直しを行うことを明らかにした。
乗客数の減少で、4月から10月までの間のみでも、市バス・地下鉄事業あわせて収入が106億円減少。2020年決算は、市バスは52億円の赤字、地下鉄は55億円の赤字となる見込みとしている。市バス事業は18年ぶり、地下鉄事業は6年ぶりの赤字決算。
10月時点で、Go To トラベル事業の効果などもあったとしながらも「バス一日券」が55%を超える利用者の減少、「地下鉄・バス一日券」は50%の減少となっている。全体でも定期利用は20%を超える減少、定期外利用は約30%の減少となっている。同局は、これらの乗客数減少を京都市では観光客や大学生の利用が多いことを要因に挙げている。
2021年度以降も乗客数の大幅な回復が見込めないとして、事業の見直しを行う。2000年当時は700円で発売し、一時500円まで値下げした「バス一日券(現在は600円)」は、700円に値上げする。地下鉄・バス一日券は900円から1,100円に値上げする。また、磁気カードのコストが増加傾向にあるとして、「地下鉄・バス二日券」を廃止するとしている。
割引乗車券などは、ICカード「ICOCA」「PiTaPa」限定のポイントサービスへ移行し、トラフィカ京かーど、全国10種類のICカードによる乗継割引などを廃止する意向。
見直し時期は、具体的には明らかにしていないが、速やかに実施するとしていて、2021年度にも変更される見込み。
その他、烏丸線への可動式ホーム柵設置のための車両改造や、市バスの前乗り後降り方式拡大を延期し、安全運行に直接関わらない事業を見直すとしている。
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