航空会社の株主優待券の価格下落が止まらない。多くの金券ショップが軒を並べる、東京・新橋駅前のニュー新橋ビルでは、ついに大手2社の株主優待券の価格が900円台に突入した。
11月下旬には1,000円台前半だった株主優待券の価格は、新型コロナウイルスの感染再拡大よる需要の悪化などを背景に、さらに下落。株主優待券は直近の予約が多いビジネス目的での利用に加え、お盆や年末年始など、割引運賃の設定が少ない時期に多く利用される傾向にあるものの、これらの需要が消滅したことに加えて、本来であれば両社ともに、2021年5月末と同11月末が期限の2種類のみが販売されているはずのところ、有効期限が半年延長された今年11月末が期限の株主優待券が継続して販売されていることによる、供給過剰状態であることも背景にある。
ニュー新橋ビル内で最安だったのは、いずれも2021年5月末に期限が延長された、今年11月30日が期限の優待券で、ANAが910円、JALが930円でJALのほうが若干割高だった。ちなみに2021年11月30日が期限のものは、ANAが1050円、JALが980円とANAのほうが高値だ。
ちなみに株主優待券を利用した場合、東京/羽田〜沖縄/那覇線・普通席の片道運賃は、ANAは23,510円、JALは24,910円(12月27日搭乗分)となる。普通運賃は両社ともに46,000円台で、割引運賃のほうが割安であるものの、フライトの変更や払い戻しが可能であることや、プレミアムクラスやファーストクラスの割引率が高いことを考えると、使い勝手が良い。
両社ともに、増資によって発行される株主優待券の総数は増加することとなるほか、需要の悪化も重なり、当面の間は販売価格が低空飛行を続ける可能性が高いとみられる。