JR東海は、大雨による在来線の運転規制について、降雨による土砂災害危険度の高まりを把握できる「土壌雨量」の指標を導入すると発表した。同指標を用いることにより、一層の安全確保ができるという。
雨量計による運転規制は現在、過去1時間に降った降雨量を示す「時雨量」と、降り始めからの単純な累積降雨量を示す「連続雨量」の2つの指標によって行われている。6月1日からはこの「連続雨量」に代えて、土壌中に浸み込んでいる水分量を示す「土壌雨量」を導入する。
土砂災害の発生危険度の把握には、従来の「連続雨量」よりも「土壌雨量」を用いることが有効とされており、この「土壌雨量」を、JR東海が持つ災害履歴などのデータに照らして規制値を設定する。これにより、より的確な運転規制が実施できるようになるという。
また、線路から離れた場所で発生する土石流の危険度を評価するシステムも新たに導入する。このシステムでは、大規模な土石流が想定される渓流を対象に、電波で降雨状況を観測する「レーダ雨量」を用いて、渓流ごとの危険度をリアルタイムに評価。危険度が高まった渓流を含む運転区間には警報を出し、運転規制を実施する。