JR東海が2020年度に営業投入を予定している東海道新幹線の新型車両「N700S」の確認試験車両が完成し、10日、静岡県浜松市の浜松工場で報道陣に公開された。
N700Sは2007年にデビューしたN700系以来となる東海道新幹線のフルモデルチェンジ車両で、日本車輌製造と日立製作所が製造。「S」は「Supreme(最高の)」という英単語にちなみ、N700系シリーズで最高の車両を意味する。新幹線鉄道事業本部の上野雅之副本部長は「東海道新幹線の新たな時代を象徴する新幹線車両」と自信を示す。
先頭部は従来型の形状を踏襲しつつ、技術開発によって更に環境性能を向上した「デュアルスプリームウィング形」。
編成記号は「J」が付与され、J0編成となった。
奇数号車に配置されたシンボルマーク。金色で高級感・上質を表現している。
8~10号車のグリーン車内。側面パネルを荷物棚と一体化し、プライベート空間を演出した。
座席はリクライニングの回転中心の変更や、座面と背もたれの角度の最適化により、リクライニング時の太もも裏側への圧迫感を低減するなど、長時間座っていても快適性を保てるよう改良。フットレストは横幅を25%拡大し、さらに足元のスペースも15%拡大した。
普通車内。空調吹出口が側面パネルと一体化された。
グリーン席と同様に、普通席にも全座席にコンセントが設置され、サービス向上を図っている。
車内テロップはグリーン車・普通車ともにLCDディスプレイとなり、大きさは5割拡大。ステッカーで表示していた号車表示なども液晶内に一体化された。
N700Sは3月20日から走行試験を開始する予定。