三菱ケミカルは、軽量性や剛性と高耐熱性を両立した炭素繊維複合材料(CFRP)を開発した。
軽量化要求が高まる航空機や自動車などのモビリティ用途、また製造工程の高度化・複雑化に加えて効率化への対応を求められる産業機械用途などでは、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用は今後ますます進むと見込まれている。一方、汎用性が高いエポキシ樹脂をベースにしたCFRPは耐熱性に課題があり、多様化する顧客ニーズを十分に満足できない場面もあった。
本開発品は、ベース樹脂としてフェノール樹脂を使用することで、300°Cでも物性が低下しない高い耐熱性を実現した。CFRPの特長である高熱伝導性、高剛性、軽量性に加えて高耐熱性を付与することで、これまで解決が難しかった顧客課題へのソリューション提供が可能となる。既に一部の顧客での採用も決まり、耐熱部材等での更なる採用に向けて取り組んでいる。