ハスクバーナ・Svartpilen 125。6月1日の発売に先駆けて試乗した。2017年のEICMA(ミラノショー)でサプライズデビューしたVitpilen以来、じわじわとバリエーションの充実化が図られているが、原付二種の投入にまた注目が集まりそう。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ハスクバーナ・モーターサイクルズ・ジャパン
ハスクバーナ・Svartpilen 125.......569,000円
ハスクバーナはスェーデンのブランド。モトクロスを中心としたオフロード系のコンペモデルに強いイメージが定着していたメーカーだが、近年になってオンロードのストリートモデルをリリース。そのトップバッターがヴィットピレン701と同401及びスヴァルトピレン401だった。
どちらもネイキッドスポーツだが、スヴァルトピレンはヴィットピレンをベースに少しオフロードの香りを加味した、言わばスクランブラー的モデル。
エンジンと車体も基本的には共通としながら、ハンドルポジションとタイヤの選択で大きな差別化がなされている。どちらもベースとなっているのはKTMのDUKEだが、スタイリングは見事なまでに差別化され、その個性的な魅力はマーケットに大きなインパクトを与えたのである。
昨年2月には250を投入。今回125の新規投入で、シリーズ中最も親しみやすい末弟モデルを加え、ユーザー層の裾野が広げられた。
既にお馴染みのスチール製トレリスフレームには、水冷ツインカムの4バルブ単気筒エンジンを搭載。左右に張り出しのある個性的なタンクを始め、サイドカバーへと連なるデザインセンスはなかなか魅力的である。
ちなみにスペックデータの多くはKTM・125DUKEと同じ部分が目立つが、細部はそれぞれに適したチューニングが成されている。
丸形のヘッドランプやバックミラーとメーター。ダートでのグリップ性能にも考慮したタイヤの選択。そしてブリッジを追加したパイプバータイプのアップハンドルを装備。
ブランド及びカテゴリーの違いを明確に打ち出された商品戦略の巧みさをみて取ることができるだろう。
兄貴分のスヴァルトピレン250と比べてみると、基本は共通としながらも、やはり細部のチューニングは個別に成されている。例えばシート高は125の方が250より25mm高い。サスペンションストロークも前後共に22mm長い142mmを稼ぎだす等、むしろ125の方がオフロード性能を少しばかり欲張っているのが印象深い。
車重も250の153kgに対して125は146kgであり、7kg軽量。タイヤのチョイスも微妙に異なっているが、125はピレリ製スコーピオンラリーを選択している事からもわかる通り舗装路をはずれた時の走りやすさを考慮した組み合わせが成されているのである。
落ち着きのある乗り味と軽快なエンジンフィールが楽しい。
足つき性チェック(ライダー身長168cm)
ディテール解説
⬛️主要諸元⬛️
車名:Svartpilen 125
軸距(mm):1,357
最低地上高(mm):145
シート高(mm):835
車両重量(kg):146(燃料なし)
乗車定員(人):2
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC 4バルブ単気筒
総排気量(cm3):125
内径×行程(mm):58.0×47.2
圧縮比:12.8:1
最高出力(kW[hp]/rpm):11[15]/9,500
最大トルク(N・m /rpm):12 /7,500
始動方式:セルフ式
燃料供給装置形式:Bosch製(電子制御燃料噴射・φ46mm)
潤滑方式:2ポンプ式オイル圧送潤滑
点火装置形式:Bosch製 EMS(電子制御点火)
バッテリー:12V 8Ah メンテナンスフリー
燃料タンク容量(L):9.5
潤滑油量(L):1.5
クラッチ形式:湿式多板
変速機形式:6速リターン式
変速比:
1速:2.833(12:34)
2速:2.067(15:31)
3速:1.556(18:28)
4速:1.238(21:26)
5速:1.045(22:23)
6速:0.917(24:22)
一次減速比:3.273(22:72)
二次減速比:3.214(14:45)
キャスター角(度):65°
三俣オフセット(mm):33
タイヤ(前/後):110/70R-17 / 150/60-17
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク
ABS:2チャンネル Bosch製 10.1MB
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム・モノショック式
サスペンション・ストローク(前/後):142 / 142mm
フレーム形式:スチール製トレリスフレーム(パウダーコート塗装)
⚫️試乗後の一言!