
米ロック界の大物ブルース・スプリングスティーン(75)が、14日に英マンチェスターで行われた公演でトランプ米大統領を「腐敗し、無能で、反逆的」と痛烈に批判した。
「公民権を後退させようとしている。偉大な同盟国を見捨て、自由を求めて戦う人々に対して独裁者の味方をしている。イデオロギー的な要求に屈しない大学には資金援助をしない。彼らは路上から移民を排除し、正当な手続きなしに国外に強制送還している」と、トランプ政権の政策を非難した。
長年に渡る民主党支持者として知られるスプリングスティーンは、公演の冒頭で「私の故郷、私が愛し、曲にしてきたアメリカは250年にわたって希望と自由の光となってきたが、今は腐敗して能力のない反逆的な政権の手に落ちてしまった。今夜、民主主義とアメリカの試みの最良を信じるすべての人々に、私とともに立ち上がり、権威主義に反対の声を上げ、自由の鐘を鳴らしてもらいたい」と、ステージから満席の観客に語りかけた。この様子は、SNSで拡散されて大きな話題を呼んでいる。
スプリングスティーンはさらに、「House of a Thousand Guitars」のソロ演奏の前にも「権力の抑制と均衡が機能しなくなってしまった時、権力に対する最後のチェックは国民、あなたたちと私です。民主主義と独裁主義の間に立ちはだかるのは、共通の価値観に基づく人々の結束なのです。結局のところ、私たちに残されているのはお互いだけなのです」と語る場面もあったという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)