昨年本国デビューした“チャレンジャー”の最高グレードであるリミテッドにJAIA(日本自動車輸入組合)試乗会でプチ試乗。バリエーションも豊富になった同社最新鋭、最強モデルの走りをチェックした。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ポラリス ジャパン株式会社
インディアン・チャレンジャーリミテッド.......3,738,000円
フロントマスクは厚みがありボリューム感タップリ。斬新なカウルデザインからわかる通り、チャレンジャーは全くのブランニューモデルである。
全体的なフォルムは、同じくバガーカテゴリーに属すチーフテンに類似しているが、フレームもエンジンも全て新開発。インディアン・モーターサイクルの中でも最強を誇示する最新鋭モデルとして投入された。
主な特徴を解説すると、軽量のアルミダイキャストフレームに、水冷Vツインエンジンを搭載。そのいずれもチャンレンジャー専用に新開発されている。
ちなみにチーフテンリミテッドの搭載エンジンは空冷方式。「サンダーストローク116」と呼ばれる1890cc。ボア・ストロークは103.2×113mmと言うロングストロークタイプだ。
一方チャレンジャーは排気量がダウンサイジングされた「パワープラス」1768ccエンジンを搭載。ボア・ストロークは108×96.5mmのショートストロークタイプ。明確なV字状を成すシリンダーレイアウトはスッキリと綺麗なデザインに仕上げられている。
しかも最大トルクはチーフテンのそれを凌いでいるのである。低速トルクの図太さに定評のあるサンダーストローク116エンジンよりは、使用回転域を高めた出力特性も特徴。総合的なギヤリングも低めに設定された。
サイドビューに注目すると、フレームとエンジンとの間に隙間の見えないキッチリした専用デザインが印象的。倒立式フロントフォークや、ラジアルマウントされたブレンボ製4ピストン式ブレーキキャリパーを装備。
そしてBosch製6軸IMU(慣性計測装置)が搭載され、ダイナミックトラクションコントロールや、コーナリングコントロール付きABS等、統合的な車体安定制御も搭載された。
ツインメーターの下に組み込まれた7インチフルカラーディスプレーも、タッチパネル式の最新式でBluetoothやUSB接続に対応、スマホを繋げて例えばApple CarPlayも活用できる。6.5インチスピーカーをメインにした100Wの大出力オーディオも標準装備されている。
ちなみにバリエーションはチャレンジャーを標準に、パワーユニット等をブラックアウトしたダークホース、そしてより豪華にクロームメッキ仕上げを多用しフロントバンパーも装備された上級グレードがリミテッドである。カラーリングはチャレンジャーが2種、ダークホースとリミテッドにはそれぞれ3種が用意されている。
フレーム剛性の高い、しっかりとした乗り味。
足つき性チェック(ライダー身長168cm)
ディテール解説
⬛️主要諸元⬛️
全長(mm):2500
全幅(mm):990
全高(mm):1340
ホイールベース(mm):1670
シート高(mm):672
最低地上高(mm):137
重量(kg)燃料タンク空/満タン:362 / 381
最大許容重量(kg):628
エンジンタイプ:PowerPlus
排気量:1767cc
ボア x ストローク(mm):108 x 96.5
圧縮比:11.0:1
電子制御燃料噴射システム:クローズドループ制御 / スロットルφ52mm デュアルボア
排気システム:レゾネータ付きスプリットデュアル
最高出力:90kW(122hp)
最大トルク:178Nm/3800rpm
クラッチ:湿式多板式・アシスト付き
一次減速:ギアドライブ
ギア比(全体):
1速 10.169
2速 6.933
3速 5.151
4速 4.105
5速 3.508
6速 3.017
最終減速比:2.379
サスペンション(前/後):
φ43mm倒立式テレスコピック
油圧プリロード調節式Fox製モノショック・ハイト調節付き
サスペンション・トラベル(前/後・mm):130 / 114
ブレーキ(前/後):
デュアルブレンボφ320mmセミフローティングローター4ピストンラジアルキャリパー/
ブレンボシングルφ298mmフローティングローター2ピストンキャリパー
タイヤ(前/後):/Metzeler Cruisetec 130/60B-19 66H / 180/60R16 80H
ホイール(前/後):インディアンレッドピンストライプ入り 19 "x 3.5" / 16 "x 5"
キャスター:25°
トレール(mm):150
リーンアングル:31°
燃料タンク容量(L):22.7