4月7日、ポルシェジャパンは今年2月に発表した新型911GT3の予約受注を開始した。トランスミッションは6速MTと7速DCT(PDK)が設定され、税込車両価格はいずれも2296万円。なお、ハンドル位置は左右両方から選べる。
4.0ℓ水平対向6気筒エンジンは先代より10ps/10Nmプラスとなる510ps/470Nmを発揮。ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは市販車初の7分切りを達成
現行911(992型)に設定されたGT3も、ポルシェモータースポーツと緊密に協力して開発された。フロントアクスルのダブルウィッシュボーンレイアウトや、成功を収めたGTレーシングカー「911 RSR」由来のスワンネック型リヤウイングと印象的なディフューザーを備えた高性能エアロダイナミクスなど、これまで以上に純粋なレーステクノロジーが市販モデルに反映されている。
エンジンは「911 GT3 R」に用いている4.0ℓの水平対向6気筒がベース。510ps/8400rpmの最高出力、470Nm/6100rpmの最大トルクは、先代(991型)のGT3より10ps/10Nmの上乗せとなる。最高回転数は9000rpmだ。トランスミッションは6速MTと7速DCT(PDK)が設定され、0-100km/h加速タイムはMTで3.9秒、PDKで3.4秒、最高速はそれぞれ320km/h、318km/hと発表された。
ワイドなボディ、大径ホイール、そして新たに採用された技術装備にもかかわらず、車両重量は先代と同じで、MT仕様では1418kg、PDK仕様は1435kgを実現。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のフロントリッド、軽量ガラスウインドー、最適化されたブレーキディスク、軽合金製鍛造ホイール、およびシーリヤトコンパートメントカバーが軽量化に寄与している。
軽量スポーツエグゾーストシステムも10kg軽くなった。無段階電動調節式エグゾーストフラップを備えており、非常にエモーショナルなサウンド体験をEuro 6d ISC FCM(EU6 AP)排出ガス基準に適合させている。欧州複合モード燃費はMT車で7.5km/ℓ、PDK仕様は8.1km/ℓ。
モータースポーツから得られた経験に基づく高性能なエアロダイナミクスは、空気抵抗係数に目立った影響を与えることなく、非常に大きなダウンフォースを生み出す。パフォーマンスポジションでは、手動で設定されるウイングとディフューザーエレメントが、高速コーナリングに有効な空力を大幅に高める。
コクピットは現行のモデル世代に従った仕立て。新機能のトラックスクリーンは、スイッチを押すだけで中央レブカウンター(10000rpmスケール)の左右にあるデジタル表示を、タイヤ空気圧インジケーター、油圧、油温、燃料残量、水温などのサーキット走行に不可欠な情報に単純化する。ここには、レブカウンター左右のカラーバーによるビジュアルシフトアシストと、モータースポーツ由来のシフトライトも含まれている。
さらなる進化を遂げた新型GT3は、伝統的にポルシェの全てのスポーツカーのベンチマークを設定してきたドイツ・ニュルブルクリンクサーキット北コースにおいて、自然吸気エンジンを搭載した市販モデルとしては初めて7分を切るラップタイムを記録した。開発ドライバーのラース・ケルンは、20.8kmのフルラップをわずか6分59秒927で走破し、かつてベンチマークとして使用されていた20.6kmのコースでは6分55秒2をマークした。