見た目だけでなく、実用性も求められるSUV。特にレジャーシーンでは、荷室の広さと使い勝手の良さは気になるポイントだ。開発スタッフによると「ヤリスクロス」は、まずは荷室から設計し、その後インテリア全体をデザインしていったという。
「ヤリスクロス」は「ヤリス」をベースとしたコンパクトSUVのため、インパネなどは共有することが決まっており、手を加える部分が限られていた。そういった制約がある中で、使い心地の良いインテリアを設計する必要があったと開発スタッフは語った。企画当初は天井にネット式の収納を検討したというが、頭上の安全性が満足いくレベルに達しなかったため、最終的には諦めたという。
そのほかにも後席の4対2対4で分割も「ヤリスクロス」の特徴として挙げられる(競合車は6対4)。中央を倒せば大人4人が座れるスペースを確保しつつ、スキー板のような長尺物を積める。もちろん、荷物を積まなくても、後席用のアームレストとして活用できるため快適性も高い。
そのほかにも、ハンガーとして使えるテールゲートのグリップや、走行中に中身が転がり出ないように若干高い位置に配置したコンビニフック、荷物を固定するためのフレックスベルト、DC12Vアクセサリーソケット(ハイブリッド車はAC100V)、テールゲートの電動開閉機構など、単純な広さだけを追求するのではなく、アクティブな生活を送るユーザーが手早く簡単に使えることにこだわってデザインが進められた。