ダウンサイジングターボの普及につれて、2.0ℓ以上の直列4気筒エンジンという存在が少なくなってきた。ホンダのK24型はそんな「少なくなってきた大排気量」のうちの一機、そして直噴を備えている。
ホンダは、5代目となる新型オデッセイのスポーティモデル「アブソルート」のエンジンに直噴仕様を搭載している。搭載されるエンジンは、2000年のK20Aに始まる中型車用の直列4気筒DOHC16バルブ・クロスフロー、排気量2.0〜2.4ℓのエンジンの系譜。K型は登場から13年が経過しているが、当初から得意の可変バルブタイミング・リフト機構VTECにカム回転角の連続位相可変機構VTCを組み合わせた「i-VTEC」(現在では「i-VTEC」の定義が「VTECを基礎とする、新世代エンジンにふさわしい新機構」に変化)を装備していたために、いまだに古びてはいない。だが、時代のニーズに合わせた新機軸の投入は必要だ。そこで直噴仕様の登場である。
ホンダはかつて、低燃費、高環境性能、高出力の並立手段として、2003年にミニバンの「ストリームアブソルート」にのみ搭載した2.0ℓのK20Bで直噴にトライしていた。この時は燃焼室天井中央にインジェクターを配置したセンターインジェクション、空燃比65:1のリーンバーンというある意味「攻めた」ものだったが、それ以後、2013年9月に発売された3代目フィットまで、直噴エンジンはパタリと止まる。「10年ぶりのホンダ直噴」はL15Bに、そのデビューは北米のアコードにこそ譲ったが、K24W直噴仕様は「10年ぶりのアブソルート」だ。サイドインジェクションにストイキという手堅い作りだが、ミニバンへの適用にホンダの「走り」への意地が見えた思いがする。