ホンダは続々と2021年モデルを投入。着々と熟成進化が重ねられている。リーズナブルな原付二種スクーターとして評判のDio 110。基本コンセプトをキープしながらもフルモデルチェンジされて、2月25日に新発売される。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)/株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン
※試作車のため実際の製品とは一部異なる場合があります。
ホンダ・Dio 110.......242,000円
その内容は大きく一新されたフルチェンジモデル
撮影車両を目前にすると、決して大きな差ではないが、少し品のある洗練された印象の上質な仕上がり具合が新鮮。前後14インチホイールの採用や、ほぼフラットなステップスルーフロアを持つ基本デザインこそ踏襲されているが、ユニットスイング方式で搭載されるeSPエンジンは新設計されACGスターターも装備。
さらにアンダーボーンフレームも高張力鋼板を使用して新開発されたeSAF(enhanced Smart Architecture Frame)と呼ばれる新設計フレームが採用されている。
結果的に、車重は旧型より4kgも軽い96kgに仕上げられている。今回試乗は許されず、撮影の為の押し歩きしか触れる事ができなかったが、その軽快感はさらに親しみやすさが増した様に感じられた。
旧型のJF58Eエンジンは、ボア・ストロークが50×55.1mmの108ccだったが、新型のJK03Eエンジンは、ボアが3mm縮小されて、ストロークを8mmも伸ばし109ccになっているのが特徴。
ボア・ストローク比は1.102から1.343へ、大きくロングストローク化されている。スペックデータを見る限り、パワートルクは若干控えめになっているが、恐らくより柔軟な出力特性が期待できると思われる。
諸元データによると、結果的に燃費性能が2〜3%向上しているのも見逃せないチャームポイント。ライダーに低燃費運転をサポートする(無用なアクセル開け過ぎの抑制を促す)ECOインジケーターも装備。
そしてスマートキー方式が採用されたのも魅力的な新装備のひとつとして見逃せない。
もちろんアイドリングストップ機構や、ハンドル左側のレバー操作で前後が連動するコンビブレーキも装備されている。
⬛️主要諸元⬛️
車名・型式:ホンダ・2BJ-JK03
全長(mm):1,870
全幅(mm):685
全高(mm):1,100
軸距(mm):1,255
最低地上高(mm):150
シート高(mm):760
車両重量(kg):96
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):59.4(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):54.9〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):1.8
エンジン型式:JK03E
エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm3):109
内径×行程(mm):47.0×63.1
圧縮比★:10.0:1
最高出力(kW[PS]/rpm):6.4[8.7]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):9.0[0.92]/5,750
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式★:セルフ式
点火装置形式★:フルトランジスタ式バッテリー点火
燃料タンク容量(L):4.9
変速機形式:無段変速式(Vマチック)
タイヤ(前/後):80/90-14M/C 40P / 90/90-14M/C 46P
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / ユニットスイング式
フレーム形式:アンダーボーン
製造国:ベトナム