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マツダCX-5 200psになったSKYACTIV-D2.2搭載モデルの進化の度合いと燃費とCO2について考えてみる ディーゼルは、アリか?


マツダの大黒柱、CX-5が商品改良を受けた。2.2ℓ直4ディーゼルのSKYACTIV-D2.2は200psにパワーアップしている。制御によるアップデートでCX-5は魅力アップしただろうか?

ソフトウェアのアップデートで200psに出力向上

マツダR&Dセンター横浜でCX-5に対面。ボディカラーはポリメタルグレーメタリック

マツダCX-5は、マツダでもっとも売れているクルマである。現行2代目CX-5の国内発売は2017年2月。初代が2012年2月発売開始だから、まだ9年しか経ってないにもかかわらず、大黒柱に成長したわけだ。




ここ5年の日米両市場での販売台数を見てみよう。


日本市場


2020年 30位 2万4222台


2019年 29位 3万1538台


2018年 27位 3万8290台


2017年 26位 4万1622台


2016年 32位 2万235台




アメリカ市場


2020年 14万5420台


2019年 15万3434台


2018年 15万622台


2017年 12万7563台


2016年 11万2235台


2016年 11万1450台




現行CX-5が登場して4年が経った。マツダは着実に改良を加えて商品力をキープしている。最新の技術改良はソフトウェアのアップデートによって性能向上を図っている。

全長×全幅×全高:4545mm×1840mm×1690mm ホイールベース:2700mm

トレッド:F&R 1595mm 最低地上高は210mm 最小回転半径:5.5m
車両重量:1710kg 前軸軸重1040kg 後軸軸重670kg

現行CX-5が登場して4年が経った。マツダは着実に改良を加えて商品力をキープしている。最新の技術改良はソフトウェアのアップデートによって性能向上を図っている。




マツダが誇るSKYACTIV-D2.2のソフトウェアのアップデートによって出力が190ps(140kW)から200ps(147kW)へアップした。試乗したのは、SKYACTIV-D2.2を搭載した4WDモデルのBLACK TONE EDITION(6AT)だ。

ボンネットフードを開けると、こういう景色が見える。フードにダンパーは装備しない。

興味のある人は少ないと思いますが、これがエンジンカバー。
裏側はこうなっている。マツダのエンジンカバーは、かなり凝ったつくりだ。
形式:2.2ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ 型式:SH-VPTS型 排気量:2188cc ボア×ストローク:86.0×94.2mm 圧縮比:14.4 最高出力:200ps(147kW)/4000pm 最大トルク:450Nm/2000rpm 燃料:軽油 燃料タンク:58ℓ

マツダR&Dセンター横浜まではマイカーのF30型BMW320dで出かけた。B47型2.0ℓ直4ディーゼルからSKYACTIV-D2.2型2.2ℓ直4ディーゼルへの乗り換えだ。


乗り換えてすぐに気づくのは、SKY-D2.2のNV性能の高さだ。明らかにBMWよりも静かだし振動も少ない(最新のG20型320dは未試乗だが)。一回毎の燃焼の粒(なんてものはないのだが)が細かく、かつ揃っている印象だ。




BMW 320dスポーツ(F30型)のB47型2.0ℓ直4ディーゼルのスペックは


最高出力:190ps(140kW)/4000rpm


最大トルク:400Nm/1750-2500rpm




一方のCX-5の商品改良前が


最高出力:190ps(140kW)/4500rpm


最大トルク:450Nm/2000rpm

SKYACTIV-D2.2は、制御の変更で190ps(140kW)から200ps(147kW)へ出力が向上した。最高出力の発生回転数も500rpm下がって4000rpmになった。前型にも今後対応予定だという。

今回の商品改良で


最高出力:200ps(147kW)/4000rpm


最大トルク:450Nm/2000rpm


である。


3000rpm以下では改良前とトルクもパワーも変わっていないから、実走行ではあまりパワーアップを体感できるシーンはないだろう。4000rpmでのトルクが330Nmくらいだったものが350Nmにアップしたことで最高出力が4000rpm時に200psになったというわけだ。3000rpm回転より高回転域での伸びということではメリットはあるだろうが、それよりも「200ps!」という気持ちの方が大きい。200psですよ!

マツダはオルガン式のアクセルペダルにこだわる。もちろん、CX-5もそうだ。

現行(140kW仕様)との比較。 アクセルペダルのペダル踏力を重くすることで、クルマの動き始めの速度コントロールがよりリニアにできるようになった。ペダルを踏み込むほど踏力が必要になる設定にしたことで車速を一定に維持するのがより容易になった。

今回の改良点のハイライトのひとつは、アクセルペダルの味付けの変更だ。簡単に言うとアクセルペダルが「重く」なったのだ。グラフを見てわかるとおり、踏み始めからキックダウンスイッチ作動点までどのシーンでもペダル踏力は重くなっている。これは乗ってみても感じる。重くなったというより、速度とアクセルペダルの関係が「タイト」になった感じだ。パワートレーンとしての高級感が増した印象だ。「重い」という言い方より、「思い通り」という方が近い。アクセルペダルが軽いと、自分の希望よりも踏み込んで(=加速してしまって)、慌ててアクセルペダルを戻す(オーバーシュート)という動きが出てしまう。運転はギクシャクするし、もちろん燃費にも悪影響がある。重くしすぎれば、「加速が悪いという印象」と「運転していて足首が疲れる」ことに繋がる。

ペダルの操作は、アクセルペダルを踏むという操作だけではなく加減速に対して身体を支えようとする筋肉の動きにも影響する。

じつは、筆者は以前マツダのテストコースで、同じクルマでアクセルペダルの重さを「軽い」「市販車の同じ」「重い」を切り替えて試乗させてもらった経験がある。オルガン式のペダルを同じ試乗車から取り外し、3種類の使用のペダルに入れ替えながらの試乗だった。そのときに、アクセルペダルの踏力の違いが、こんなにもドライビングに影響するのかと驚いたのだ。足だけでなく、頭の動き、頭を支える筋肉の緊張度などさまざまな部位に関係があるのだと教えてもらった。




そのマツダ技術陣が自信を持ってセッティングしたアクセルペダルだけあって、CX-5 SKYACTIV-D2.2はまた洗練度を上げている。

タイヤはトーヨーのPROXES R46
サイズは前後とも225/55/R19
CX-30、MAZDA3のリヤサスペンションはTBA(トーションビーム式)だが、CX-5はマルチリンク式。
フロントはマクファーソンストラット式

参考のために記しておくと


巡航時のエンジン回転数はメーター読みで次の通りだ(目視で)。


100km/h 2030rpm


110km/h 2150rpm


120km/h 2350rpm


といったところだ。今回はせっかくなので新東名の速度制限120km/hの路線も走ってみた。120km/h巡航でも車内の騒音レベルは気にならなかった。ただし、前面投影面積が大きいSUVだから、120km/h巡航すれば、燃費には多少悪影響が出るだろう。

今回は、325.1km走って燃費計のデータは14.3km/ℓだった。ちなみに高速主体で走った(120km/h走行もした)233.3kmでは15.7km/ℓだった。




ところで、昨今の論調ではディーゼルにやや逆風が吹き始めている。ここは冷静な議論が必要だろう。今回の実燃費を元に少し考えてみよう。

室内長×幅×高:1890mm×1540mm×1215mm

身長175cmのドライバーが前後に座ると後席の膝回りにはこの程度の余裕がある。

実燃費14.3km/ℓはWLTCモード燃費(16.6km/ℓ)の86.1%だ。


マツダR&Dセンター横浜近くのガソリンスタンドでは


軽油102円/ℓ


レギュラーガソリン127円/ℓ


だった。




つまり今回のSKYACTIV-D2.2(4WD)の燃料費は


7.13円/kmだったわけだ。




もし2.5ℓ直4が炉心ターボ(230ps/420Nm)25T 4WDのWLTCモード燃費は12.2km/ℓ、今回と同じ達成率だとしたら10.5km/ℓになる。


すると12.1円/kmになるわけだ。


7.13円/kmと12.1km/円ではだいぶ違う。




SKYACTIV-G2.5(188ps/250Nm) 4WDだったら


WLTC燃費が13.0km/ℓだから11.2km/ℓ(同じ達成率だとして)


11.3円/km


である。




SKYACTIV-D2.2:7.13円/km


SKYACTIV-G2.5:11.3円/km


SKYACTIV-G2.5T:12.1円/km




となる。軽油価格の安さも相まって、ディーゼルエンジンの優位性は圧倒的だ。とは言っても車両価格も含めて考えないと公平ではない。


車両価格はCX-5 BLACK TONE EDITION(4WD)で


D2.2 359万1500円


G25 327万2500円


G2.5とD2.2の価格差は、31万9000円である。


4.17円/kmの燃料代の差があるから、走行距離7万6499km、ざっくり7万6500km走ったらディーゼルエンジン代の元がとれるわけだ。7年間で考えると年間1万1000km以上走る人にはディーゼルが(燃料費だけで考えると)お勧めだ。

10.25インチセンターディスプレイは2万2000円のオプション。トランスミッションは6速AT

次はCO2排出量も少し考えてみよう。


1ℓのガソリンと軽油が排出するCO2の量は環境省のデータによると


ガソリン 2322g/ℓ


軽油 2619g/ℓ


である。


ちなみに単位発熱量は


ガソリン 34.6GJ/kℓ


軽油 38.2GJ/kℓ


で軽油の方が大きい。




この数字で考えると今回のSKYACTIV-D2.2(4WD)のCX-5の燃費14.3km/ℓでのCO2排出量は


166.8g/km 


である。


同じ燃費達成率で試算すると




SKYACTIV-D2.2:166.8g/km


SKYACTIV-G2.5:207.3g/km


SKYACTIV-G2.5T:221.1g/km


となる。




ここでもディーゼルエンジンの優位が見える。


ディーゼルで14.3km/ℓの燃費であれば、ガソリンで13.9km/ℓ走ればほぼ同じCO2排出量になるわけだ。

軽油は1ℓで2619gのCO2を排出する。

また原油の溜分の割合のうち軽油は21.6%(石油成分の得率)になる。つまり。この21.6%は軽油として使うのがもっとも効率がいいのだ。




燃費、テールパイプCO2排出量、電源構成(EVやPHEVなどでは)WtWの考え方など、さまざまな視点がある自動車用燃料だが、選ぶ側の我々もいろいろ要素を考えながら冷静に選ぶ必要が今後はさらに必要になるだろう。


政府がどう旗振りをしても、すべての自動車が2030年代半ばにEVだけになることもないし、ディーゼルがなくなることもない。




CX-5に乗ってあらためて考えた。ディーゼルはいい。今後も技術開発を続けて上手に使っていくべきパワートレーンだ、と。洗練されたディーゼルエンジン、SKYACTIV-D2.2の価値はまだまだ上がることはあっても下がることはないのだ。

6速ATのギヤ比は1速:3.487 2速:1.992 3速:1.449 4速:1.000 5速:0.707 6速:0.600 後退:3.990 最終減速比:4.411

サンルーフ装着車にはCD/DVDプレーヤーが付かない。なので、iPhone(11)を接続してみた。Apple Musicで音楽を流すのには、Bluetoothで繋ぐこともできる。
が、USB経由で繋いだ方が、音量、コントロール性がいい。AppleCarPlayを使うとナビゲーションがAppleのMapsになってしまうが、これはアプリの「MAZDA」を選べば車載のナビに切り替えられる。
USBで繋ぐとCDジャケットも見られる。試乗車にはBOSEサウンドシステムがついていた。MAZDA3、CX-30、MX-30の新世代商品群ならBOSEを選ばなくてもかなり高水準のオーディオが楽しめるが、CX-5だとBOSEの方がいい。10スピーカーで8万2500円のオプション。

デビューから4年経っても、美しいボディデザインの魅力は健在だ。

マツダCX-5 BLACK TONE EDITION




全長×全幅×全高:4545mm×1840mm×1690mm


ホイールベース:2700mm


車重:1710kg


サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rマルチリンク式


駆動方式:4WD


エンジン


形式:2.2ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ


型式:SH-VPTS型


排気量:2188cc


ボア×ストローク:86.0×94.2mm


圧縮比:14.4


最高出力:200ps(147kW)/4000pm


最大トルク:450Nm/2000rpm


燃料:軽油


燃料タンク:58ℓ


燃費:WLTCモード 16.6km/ℓ


 市街地モード:13.6km/ℓ


 郊外モード:16.6km/ℓ


 高速道路モード:18.4km/ℓ


トランスミッション:6速AT


車両本体価格:359万1500円




オプション価格:21万4500円(地上デジタルTVチューナー 2万2000円、10.25インチセンターディスプレイ 2万2000円、ボーズサウンドシステム+10スピーカー 8万2500円、電動スライドガラスサンルーフ 8万8000円)

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