2020年11月、ルノー・カングーの3代目となる新型がフランス本国で発表された。日本では「カングージャンボリー」と言われる伝統的なオフ会が開かれるなど人気が高いこのモデル。新型は現行型のかわいい丸みを帯びたデザインから一点、直線基調でクールなデザインが採用された。新型がどう進化しているか、日本で売られる現行型と写真で比較しながらみてみよう。
商用バンを乗用車化したコンパクトミニバンは、その広い室内空間と使い勝手の良さから、欧州で人気のカテゴリーとなっている。その中でもルノー・カングーはクラスの中心モデルとして人気だ。そんなカングーは、昨年11月にフランス本国で新型が発表された。新型がどう進化しているか、日本で販売されている現行型と写真で比較しながらみてみよう。
まず、現行型から大きく変わったのはエクステリアデザイン。より直線基調が際立ったフロントデザインは、グリルとフロントバンパーの間にクロームラインを配置ことでより高級感がました印象を与えている。日本で販売されている2代目は丸みを帯びたかわいいデザインが特徴なのに対し、今回の新型は大幅に路線変更が行われた。
リヤデザインは現在スケッチ画のみ発表されているが、フロントデザインと同様に直線基調で、よりモダンなデザインとなっていることが見受けられる。2007年発表の2代目のリヤデザインは、新型と比べてしまうとやはり一世代前のデザインに見えてしまう。
また新型の大きなトピックは商用モデルとなるカングーバンに採用された「イージーサイドアクセス」と呼ばれる大開口のサイドドアだ。Bピラーをなくすことにより開口幅が大きくなり、より長さのある荷物の出し入れなどが楽にできる。開口部の広さはなんと1416mm(2代目の2倍のサイズ)に達しており、同セグメント最も広いサイドアクセスとなっている。
インテリアデザインは、使い勝手を重視したシンプルなデザインが採用された。水平なダッシュボードは多数の収納スペースを備えている。ライバル、シトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターが特徴的でボリューミーなインテリアデザインとなっているのに対し、新型カングーは堅実でおとなしいデザインが持ち味だ。
また、ルノーEASY LINKマルチメディアシステムと、パーマネントリアビューデジタルインテリアミラーを含む最新の運転補助システムを備えている。これにより多くの荷物を載せて後方視界が遮られても、ドライバーは周囲の状況を把握できるようになっている。
さらにカングーの廉価版であるエクスプレスとその商用タイプ、エクスプレスバンも同時に発表された。こちらは職人や商人を対象としている。
新型カングーはフランス・モブージュで、新型エクスプレスはモロッコのタンジールで生産される。欧州での発売は2021年初頭の予定だ。未だパワートレーンなどの詳細スペックや価格については明らかになっていないが、最新の安全機能を装備していることから、2代目(日本では254万6000円から)より値上がりすることが予想される。
日本でも大人気のカングー。日本での新型の登場時期は発表されていない。最近同じフランス勢からライバル、シトロエン・ベルランゴとプジョー・リフターが発売され、限定モデルがすぐに完売するなど大きな反響を呼んでいる。大幅なイメージチェンジを果たした3代目カングーが引き続き日本で受け入れられるか楽しみだ。