「300万円の予算で中古車を選んでください」。年末恒例の「欲しいクルマ企画」、motor-fan.jpの編集部リレーコラムでお届けします。元日の今日は、編集長スズキが選ぶ300万円中古車です。
PHOTO◎Motor-Fan/Toyota
世間がF1ブームに沸いていた頃、じつはラリーもいまとは想像できないほど人気があった(はず)。1982〜1986年のグループBの時代、1987〜1996年のグループAの時代のWRCは本当に面白くてワクワクした。
初めて生でWRCを見た(取材した)のは、1995年のRACラリー。スバルが優勝して年間王座を初めて射止めたそのときだ。スバル・インプレッサ555、三菱ランサーevoⅡ、フォード・エスコートRS、そしてトヨタ・セリカGT-FOUR(ST205、シーズン途中でターボのレギュレーション違反で選手権から除外されてしまった)。
トヨタが、オリオール、カンクネン、スバルがマクレーとサインツ、フォードがデルクールとティリー、三菱がエリクソンとマキネン……。華やかだったなぁ。この頃のWRCはヨーロッパで凄まじい人気で、SSが観客が集まりすぎてキャンセルとか、山を埋め尽くす観客のなかを、ラリーマシンが駆け抜けていた。
ヨーロッパの強豪に挑む華奢なセリカGT-FOURっていう構図が、たぶん面白かったのだろう。このST165 GT-FOURは1990年にカルロス・サインツ(エル・マタドール!)が日本車初のWRCタイトル(ドライバーズタイトル)を獲得するなど大活躍したクルマである。
初めて買ったクルマ(もちろん中古車で。たしか40万円だった)がセリカ1600GT(2代目)で次もセリカ(3代目。たしか中古で100万円)、そして流面形セリカに一目惚れして手に入れたのが、1991年か92年のことだった。もちろん、それも中古で。そのときに欲しくて買えなかったのがGT-FOURだったのだ(買ったのはFFの2000GT-R)。
あらためていま見ても、そのかっこよさは色褪せていない(と個人的は思う)。
ボディサイズは、全長×全幅×全高:4365×1690×1295mm(ラリーカーの全幅は1710mm)。ホイールベースは2525mm。
2021年のいま、このサイズで美しいクーペルックで4WDでMTが選べるクルマがあったら、すぐに買うだろうな(ないものねだりだけど)。じゃあGRヤリスは? と問われると、「根の半分は軟派なので、カッコいいのがほしいんです!」って答えてしまいそう。