激動の2020年を乗り越え、2021年を迎えました。あけましておめでとうございます。ご自宅で新年を過ごすのに最適と思われる戦車の射撃をご覧ください。10式戦車、74式戦車、そして90式戦車の「発砲炎」を紹介します。
TEXT&PHOTO◎貝方士英樹(KAIHOSHI Hideki)
発砲炎(はっぽうえん)とは、大砲や戦車砲、ライフルや拳銃など「銃砲」の射撃時に銃口・砲口の先に発生する火球のことを指す。銃砲は火薬の燃焼高圧ガスを利用して弾丸を高速射出するもの。このとき、銃口・砲口からは弾丸とともに燃焼ガスなどが噴出し、強烈な閃光を発する。これが発砲炎。英表記ではマズルフラッシュなどという。
戦車の発砲炎はとくに凄まじく、装薬量や気象条件にもよるが、おおむね車体サイズ以上の発砲炎が出現する。戦車の射撃音は「ドカン」というよりも「カッ」という表現に近い音で、ほぼ同時に伝播してきた衝撃波を体全体で感じるものだ。放たれた弾頭は瞬時といえるごく短い時間で目標へ達し、命中、標的を貫通もしくは破壊する。
こうしたことが展開されるのが陸上自衛隊・富士総合火力演習だ。見学スタンドの目前で射撃が行なわれ、発砲炎を間近に見るには最適の機会。ここで紹介している写真も総火演で撮影したものだ。射撃というものがどういうことなのか、それがよくわかる機会である。今年は開催できるようになってほしいものだ。