86/BRZレースでチャンピオン(クラブマンシリーズエキスパートクラス)を獲得している、腕っこき自動車ジャーナリストの橋本洋平さんが選んだ「2020年の推しカー」はホンダ・シビック タイプR、ランドローバー・ディフェンダー、スバル・レヴォーグ。レヴォーグは実際に自身が購入するほどの熱の入れようだ。
TEXT●橋本洋平(HASHIMOTO Yohei)
事実上のファイナルモデルとして登場したリミテッドエディションは、世界限定1000台、日本の割り当ては200台という超レアモデル。それが単なるエンブレムチューンではなく、やり切った感が伝わってきたところに魅力を感じる。
遮音材の排除やBBSホイールの採用など地道に軽量化をするところはタイプRらしい部分。懸念材料だったクーリングやブレーキも見直し、サーキットでの性能を見つめ直したところも好感触だ。
鈴鹿サーキットを走れば、ベースモデルよりも遥かに軽快に動き、攻めれば攻めるほどクルマが応えてくれる。アクティブダンパーの制御を変更して、ベースモデルよりも2倍近く減衰を高めたことも、その軽快さに繋がっている。
とはいえ、スイッチひとつでコンフォートモードにすれば、しなやかな動きにも変化するところは現代流か⁉︎ 街乗りでも十分に対応できそうだ。
噂によれば次期モデルでもタイプRは継続する模様。サーキットが本拠地となるナンバー付きの世界を、是非とも継続して欲しいと願うばかりである。
全幅も全高も約2m。ホイールベースは約3mという巨体のディフェンダーは、その場にあるだけで圧倒される。今やSUVが当たり前の世の中だが、それら全ての上をいく存在感はアッパレだ。乗り込んで信号待ちをしていても、周囲の誰よりも視界は高く、タワマンを手にした成功者のような気分に一瞬でなれるところも魅力のひとつ。こんなクルマがショートボディであれば400万円台後半(※2021年モデルからは529万円〜)から用意される環境は嬉しい。
もうひとつ個人的に心に刺さったのは、ヘリテイジを感じさせながら、キチンと新しさが得られているデザインだった。昔懐かしの角張った部分と、ボリューム感あるフェンダーラインの融合は見ていて飽きない。
乗ればエアサスでゆったりとした乗り味。モノコックとなったが、その乗り味がラダーフレームを彷彿とさせる質感のような気もしてくるから面白い。
都心じゃなかなか乗るのは大変だが、いつか手にしてみたい一台だ。
コレは実際に買ったから第1位! フルインナーフレームの強固なボディと2ピニオンパワステ、そしてSTIに準備されるアクティブダンパーにより、スポーツカーのような立ち振る舞いから、リムジンのようなゆったりとした乗り味まで幅広く対応してくれるところが気に入った。
それに加えてアイサイトXはかなりのシーンでドライバーを支援してくれるから大満足。ハンズオフも渋滞時には有効で、両腕をを下げて過ごせるから、肩こりも楽になったような。これでマッサージ機能でも付いたら最高か⁉︎ いや、寝ちゃうか。
いまは納車半月で新婚状態だからイヤなところはさほど見えていないが、将来的にも概ね納得できそうな手応えはある。やっぱり今のナンバーワンは間違いなくレヴォーグだ。
『2020年の推しカー』は毎日更新です!
いよいよ2020年もラストスパート! ということで、今年(2019年12月〜2020年11月)に発表・発売されたクルマ(マイナーチェンジ・一部改良・追加モデルなどすべて含みます)のなかから、「他人はどうかわからないが、個人的に大好きだ!」という"推しカー”を3台、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!