生方聡さんが選んだ「2020年の推しカー」は、ランドローバー・ディフェンダー、プジョー SUV e-2008、アウディ e-tron スポーツバック。電気自動車が2台ランクインしているが、特に感銘を受けたのが e-tron スポーツバック。これに触発されて、生方さんも電気自動車を購入するに至った。
TEXT●生方聡(UBUKATA Satoshi)
ランドローバーきってのオフローダーであるディフェンダーが、現代のデザインとテクノロジーで蘇った。機能性重視のデザインや設計であるにもかかわらず、とても垢抜けていてスタイリッシュ。シンプルなデザインのコックピットも、オトコ心を鷲づかみにする魅力的な仕上がりだ。
実際に試乗してみると、本格的オフローダーを謳いながら、オンロードでも運転は楽しく、乗り心地も快適。全幅が2mあるので、狭い駐車スペースに入るときには気を遣うが、走り出してしまえばサイズはあまり気にならなくなる。せっかくSUVを買うなら、このくらい振り切れたモデルがいい。
輸入ブランドのEVが増えてきているなかで、サイズ、性能、価格のバランスが良いのが、プジョーe-208とSUV e-2008。SUVブームのいまだけに、ちょっと背の高いSUV e-2008に食指が動いてしまうのだが、それでも1550mmに抑えられた全高は、立体駐車場を使う機会が少なくない私には好都合だし、床下にバッテリーを積むEVだけに、走らせても落ち着いた動きを見せ、乗り心地も快適。
もちろん、パワーも十分すぎるレベルで、これで価格が429万円からとなると、かなりお買い得ではないか。輸入コンパクトEVの火付け役になりそうな一台だ。
正直なところ、運転するまでは「いいクルマなんだろうね」くらいの、ちょっと醒めた目で見ていたe-tron スポーツバックだったが、走らせてみたら、その仕上がりのすごさに驚き!
圧倒的なパワーを持っているのに、動きは洗練されていて上品。アウディの技術の粋を集めていながら、それをひけらかすことなく、とてもフレンドリー。そして、ここぞという場面でも、涼しい顔でそのポテンシャルを使い切ることができる頼もしさ。
最新技術だけでなく、「アウディって、こういうブランドだよね!」の感激がぎっしりと詰まったe-tronは、いまのアウディを象徴するプレミアムEVだと思う。
『2020年の推しカー』は毎日更新です!
いよいよ2020年もラストスパート! ということで、今年(2019年12月〜2020年11月)に発表・発売されたクルマ(マイナーチェンジ・一部改良・追加モデルなどすべて含みます)の中から、「他人はどうか分からないが、個人的に大好きだ!」という"推しカー”を3台、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!