11月27日、日産自動車と長野日産自動車、松本日産自動車、日産プリンス松本販売は、岡谷市(長野県)と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したことを発表した。
日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては全国で75件目。日産の「ブルー・スイッチ」活動としては102件目の取り組み
この協定の内容は、岡谷市が『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である長野日産自動車、松本日産自動車、日産プリンス松本販売より貸与される電気自動車「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所等の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』というもの。
岡谷市では、14年前の「平成18年7月豪雨災害」の被災経験や、近年各地で発生した大規模な地震や豪雨などによる自然災害の経験から得た教訓から、防災・減災意識の向上に努めるとともに、安全で安心なまちづくりに積極的に取り組んでいる。また、将来都市像である「人結び 夢と希望を紡ぐ たくましいまち岡谷」の実現に向けて、6つの基本目標を掲げ、安全対策の推進を図るとともに、自然環境の保全や生活環境対策の推進にも積極的だ。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして、岡谷市が推進する防災対策・環境対策と、双方の取り組みに互いが賛同し、このたび同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・岡谷市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所等に、長野日産自動車、松本日産自動車、日産プリンス松本販売の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。
・岡谷市、日産自動車、長野日産自動車、松本日産自動車、日産プリンス松本販売の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所等の円滑な運営を図り、市民の生命および身体の安全を守る。
・岡谷市および日産自動車、長野日産自動車、松本日産自動車、日産プリンス松本販売は、平常時も電気自動車の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、防災・減災及び環境意識の向上を目指す。
岡谷市では、すでに公用車として「日産リーフ」1台と、EVから電気を取り出す可搬型給電器1台を導入している。そして、今後もさらなるEV普及・促進の取り組みを推進し、防災力向上に努めていく。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、を目的に「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けるとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。また、政府の推進する「2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に寄与すべく、電気自動車の普及を目指している。そして、「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。
今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」活動に基づくものであり、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で75件目となる。また、電気自動車を活用したエネルギーマネジメントや観光等を含む「ブルー・スイッチ」活動全体の取り組みとしては102件目を数える。
岡谷市と日産自動車は、今後もこの協定締結を機に、防災・減災および環境対策を強化し、電気自動車を活用した、環境に優しく、災害に強いまちづくりを推進していく。そして、電気自動車の普及を通じた地域課題の解決に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。