バイクカバーには様々な種類がある。これまで使用していたバイクカバーが破れてしまったのを機に、バイクパーツショップに出向いて新しいカバーを購入。その体験をもとに、バイクカバーの選び方や購入ポイントをまとめてみた。

PHOTO&REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

これだけは覚えておきたい!バイクカバー選びのポイント

 バイクカバーを選ぶ時のポイントは、

 これは基本中の基本。余程の粗悪品でない限り基本的にクリアしているが、一部の安価品には「カタチだけのバイクカバー」がある。特にネットで購入する場合には注意が必要。

 マフラーやエンジンの熱で溶けないもの。エンジン停止直後にカバーを掛ける場合は特に重要(走行後のバイクは、カバーを掛ける前にしばらく外気にさらし、熱を冷ますのが理想的)。自転車用など耐熱性のないものは溶けてしまうので要注意。

 二重縫製など、頑丈に、しかもきちんと縫製されているもの。縫製の雑な粗悪品は、接合部から雨水が侵入したり、短期で裂けてしまう可能性あり。

 強風でカバーが飛んでしまうのを防止してくれる機能で、台風、暴風雨の多い近年には必須とも言える。多くのバイクカバーには、ワンタッチで着脱できるベルトが設置されている。

 盗難防止には欠かせない、屋外駐車での必須機能。多くのバイクカバーには、フロント部、もしくはフロント部&リヤ部に設置済み。

 地方では少ないが、都市部ではバイクカバーに火を点けられる放火事件が度々発生する。一般的に外側に防炎加工処理を施したタイプは、未処理タイプに比べてやや高額。

 湿度の高い日や、雨が降った後などは、水分が蒸発してバイクカバー内に湿気がこもり、結露が発生。これがサビ等の原因となる。要所にメッシュ加工や通気口のあるタイプは、空気の通りが良く、湿気がこもりにくいのが特徴。休日のみなど、あまりバイクに乗らない人には重要なポイント。一般的に透湿性を確保したタイプは、透湿性未確保タイプに比べてやや高額。

 使用しない時には、コンパクトに収納できるタイプが嬉しいところ。ほとんどのバイクカバーには、専用の収納袋が付属。

ネットショップで購入した生地の薄いバイクカバー。わずか半年で、ズタボロの状態に……

各部が破れ、色も剥げ、見た目も散々なバイクカバー。購入時に商品が見えないネット販売は、ここに落とし穴が……

 愛車・ゴリラのバイクカバーは、写真の黒/水色ツートンのタイプで3代目となる。初代はヤマハFZ400に乗っていた頃に使用していた大型車用。初代のシートカバーは生地も分厚く非常にタフで、台風による強風で飛ばされて行方不明になるまで、10年ほど使用していた。



 2代目は中古専門のカー用品店で偶然見つけた2000円程度の、バイクカバーとしては激安の部類に入るもの。初代に比べて生地は薄く、縫製も雑だったが、「2年はもつかな?」という予想通り、2年ほど使用した時に破れてご臨終。代替品としてネットで購入したのが、写真の3代目だ。



 ネットで3代目を入手したのは、今から半年ほど前。レビューの中にいくつか挙がっていた「生地が薄い」というワードがやや気になったが、3500円という安過ぎず高過ぎない価格と、カラーリングに惹かれて購入した。



 購入して商品を手に取った瞬間、筆者は「失敗した……」と感じた。理由はレビューにもあった生地の薄さ。2代目も確かに薄かった。しかし3代目は、それを上回るペラペラ具合。



「とはいえ、縫製はしっかりしているから、2年はもつだろう」という当初の予想と期待を大きく裏切り、3代目は購入からわずか半年で、写真の通りバイク泥棒も近付かない(多分)ほど見すぼらしく、ズタボロの状態となった。

▲裂けたように破れてしまったバイクカバーの表面。
▲フロントにあるチェーンロック設置箇所。こちらはわずか2ヶ月ほどで丸い金属部分が、あっけなく取れてしまった。
▲応急処置のため、避けた部分を結んでいたが、別の箇所に負荷が掛かり、あっちやこっちが次々に裂けてきた。
▲大して負荷が掛からないはずのテール部の上部も裂けている。

 わずか半年で色はくすみ、各所が破れ、ズタボロとなった3代目のバイクカバー。これを見た筆者が、「金返せ!」と声高に叫びたかったのは言うまでもない。半年でご臨終となった3代目は、生地の薄さもあるが、日差しや熱に対する耐候性の弱さも短命に終わった大きな要因であったと推測する。



 ゴリラの保管場所は、非常に日当たりの良い屋外。3代目を購入したのは5月で、表面の色の剥げ具合から、特に夏の強烈な日差しと熱が大きなダメージを与えた模様。



 加えて保管場所は、非常に風通しが良い。特に風の強い日は、「このまま飛んで行っていまうのではないか?」と思わせるほど、バイクカバーが風船のようにプーンと膨らみ、各部に負荷が掛かっていた。



 とはいえ、これらの条件は初代、2代目にも当てはまること。結論から言えば、3代目が短命に終わった原因は、「素材が弱かったから(薄かったから)」の一言に尽きる。また、短期で色がくすんでしまったという事実も、表面のコーティングの甘さを如実に表している。



 商品を見て触って確認できるリアル店舗と違い、ネット販売は基本的にユーザーレビューが頼り。バイクカバーの購入にあたっては、多分に「一か八かのバクチ的な要素」が発生するものと感じた。

筆者的バイクカバー選びの基本。それは「素材は分厚い方がいい」

店頭ではバイクカバーのサンプルが展示され、自由に試着できる。

 以上の経験から、冒頭で述べた「これだけは覚えておきたい!バイクカバー選びのポイント」に加え、筆者が強く感じるのは、「バイクカバーの素材は、ある程度は分厚い方がいい!」ということ。



 一般的に生地の薄いタイプは価格も安く、お買い得感も高い。しかし、かなりの確率で寿命が短いと予測する。「安物買いのゼニ失い」になる可能性が高いのだ。



 バイクカバーの生地の薄い・厚いは、自分の手で触れて確かめてみるしかない。そこでオススメなのが、実際にバイクショップに行って購入すること。特に薄い・厚いの感覚が分からないビギナーは、店員さんにアドバイスをもらい、購入するのがベストだと思う。



 今回訪ねたのは、近所にあるバイクパーツショップ。このショップでは、店頭にバイクカバーの「試着用サンプル」を設置。カゴの中にはS、M、L、LLなどの各種サイズのバイクカバーが収納袋に入った状態で置かれており、愛車に乗って店に行けば、「どのサイズを選べばいいか?」がリアルに確認できるシステムが導入されている。これはビギナーはもちろん、新しいバイクを購入した時には非常にありがたいシステムだ。



 試しにサンプルに触れてみると、初代の感覚に近い分厚さ。筆者は即座に「これだ!」と思い、店内に足を進めた。

サンプルに触れてみると、ペラペラ感のない頑丈さが確認できた。

多くのバイクカバーのパッケージには、サイズを選ぶ時の目安も明記されている。サンプルがない場合、これらを参考にしてみるべし。

ショップ店員に聞いた「バイクカバー選びのポイントは?」

今回購入した「モーターヘッド・バイクカバー」。発売元は2輪館イエローハット。サイズはM。価格は4889円。写真はパッケージ。

 まずは、店内のバイクカバーコーナーを見渡してみる。最安値は2000円台。最高値は1万5000円強。今回筆者が購入したのは、Mサイズの4889円。一口にバイクカバーといえど、価格はサイズやタイプの違いにより幅広いのが特徴だ。早速、店員さんにお話を伺った。



筆者:通販で買ったバイクカバーが破れてしまいました。やっぱりバイクカバーは、分厚い方がいいですよね?



店員さん:確かに分厚い方が丈夫で長持ちします。しかし毎日バイクに乗る方は、分厚いカバーは重くて外すのが面倒だったり、折り畳んだ時にかさばるのがネック。毎日バイクに乗る方は、基本的にバイクカバーを使用するのは夜のみでしょうから、紫外線や熱による痛みは少ない。その場合、生地の薄いタイプの方が便利かもしれません。



筆者:確かにそうですね。僕の場合、バイクカバーをかけている状態が極めて長いですから。



店員さん:とはいえ、基本的にバイクカバーは屋外保管するためのもの。できれば安価なものではなく、長く使える耐久性の高いものをオススメします。



筆者:高額なバイクカバーは、やはり長持ちしますか?



店員さん:一般的に高額なものは、素材や縫製、コーティングにコストをかけていますから、基本的に耐久性も高い。加えて通気性が良い設計、表面に防炎加工処理されているなど、随所に工夫が施されています。バイクカバーの寿命は、タイプ、保管状況、環境、使い方等によって大きく異なるもの。特に近年の日本の真夏は、強烈な日差しやゲリラ豪雨など、過酷な状況下にありますから。



筆者:その点においては、全般的にバイクカバーの寿命は縮まっているといえますね。



店員さん:ブレーキパッドやゴム製パーツと同じく、消耗部品と考えた方がいいでしょう。



筆者:バイクカバーを使った屋外での理想的な保管方法は?



店員さん:バイクカバーの劣化を防ぐため、できれば日陰で保管したいところ。また、雨降り後の晴れた日は、カバーを外し、バイクとカバーの内側を干してあげること。これはカバー内に溜まった湿気を取り除くことで、パーツのサビや劣化を防ぐのが目的です。



筆者:加えて洗車、各部のグリスアップ&オイル塗布すれば完璧ですね。



店員さん:はい。バイクカバーを被せてバイクを保管する方は、サビや劣化を防ぐためにも、屋内保管よりもこまめなメンテナンスが必要です。

購入したバイクカバーは、分厚くて縫製も丁寧。コスパは良好か!

 ポリエステル100%の高級厚手生地を使用したバイクカバー。丈夫で耐久性に優れながらも。軽量でコンパクトに畳めるのがポイントだ。縫製は2本針にて丁寧に縫われており、かなり頑丈なイメージに仕上がっている。



 バイクカバー表面には、「特殊アクリル樹脂配合コート」と「シルバーハードコーティング加工」を施し、雨、ホコリ、紫外線などをシャットアウト。フロント部にブルーラインを配し、カバーを掛ける際には一目で前後を判別できるのがポイント。サイズはS、M、L、LL、LLL、LLLL、OFF-L、OFF-LL、ビッグスクーター、メガスクーターの10種類あり。



 3代目に比べ、生地も分厚くて縫製もGOOD。このつくりで4889円という価格は、初代バイクカバー~3代目バイクカバーと比較してみた場合、非常に高いコストパフォーマンスを発揮してくれると予測。果たしてどのくらい、もってくれるかな?

●モーターヘッド・バイクカバーの生地



・300デニール オックスフォード ※注1

・特殊アクリル樹脂配合コート

・シルバーハードコーティング加工

・ポリエステル100%



※注1:「300デニール」とは糸の太さ。数値が大きいほど糸が太い=頑丈。「オックスフォード」とは糸の織り方で、オックスフォードは引っ張り強度が高く、通気性が高いのが特徴。
丈夫で耐久性に優れながらも、軽量でコンパクトに畳める高級厚手生地を採用。写真はパッケージ。
パッケージには車種別のサイズ適応表も表示。
2本針にて丁寧に縫われた縫製。
車体下部には左右どちらからでも着脱可能なクイックストラップを装備。
フロント部とリヤ部には、大型のチェーンロックも使用可能なスリットを設置。
リヤ部のスリット部。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 失敗談|バイクカバーが半年で破れたので。用品店のスタッフに正しい選び方を聞いた&買った体験記