大幅刷新したメルセデス・ベンツEクラスに乗った。セダンは千葉県富津市周辺で1時間ほどドライブし、ステーションワゴンは同程度の時間を助手席で過ごした。どちらも、1.5ℓ直4ガソリンターボエンジン(最高出力135kW/最大トルク280Nm)を搭載する。セダンはE200 Sports、ワゴンはE200 Stationwagon Sportsだ。

TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

メルセデス・ベンツEクラス E200スポーツ(BSG搭載モデル)ステーションワゴン 車両本体価格:810万円

現行Eクラスのデビューが2016年だから、4年が経過しての大幅刷新ということになる。他の欧州ブランドの場合もそうだが、メルセデス・ベンツが行なったEクラスの大幅刷新は、「磨きをかけた」という表現がぴったりくる。「悪いところを直した」というスタンスではなく、「いいところを伸ばした」というスタンスだ(もちろん、ネガ潰しは徹底的に行なっているのだろうが)。実車に触れると、「前も良かったけど、新しいのはもっと良くなっている」のを実感する。

全長×全幅×全高:4940mm×1850mm×1455mm ホイールベース:2940mm

トレッド:F1600mm/R1590mm 最小回転半径:5.4m 最低地上高:130mm
車両重量:1720kg 前軸軸重890kg 後軸軸重830kg
全長×全幅×全高:4955mm×1850mm×1465mm ホイールベース:2940mm

トレッド:F1600mm/R1590mm 最小回転半径:5.4m 最低地上高:130mm
車両重量:1830kg 前軸軸重910kg 後軸軸重920kg

エクステリアはスポーティにお化粧直しをした。ヘッドライトは上下方向に薄く、切れ上がりが強くなり、細い眉のようなデイタイムランニングライトがシャープな印象を与えている。スリーポインテッドスターを掲げるフロントグリルは、逆台形から、下部が広がる台形形状に変わった。セダンはリヤエンドのデザインも変更されている。従来はやや縦長のランプがトランクリッドの両サイドに配されていたが、大幅刷新版はトランクリッドにまで浸食する横長形状になっている。そのせいもあり、ワゴンよりセダンのほうが「新しくなった」ことを実感しやすい。

メルセデス・ベンツEクラス E200スポーツ(BSG搭載モデル)燃費:WLTCモード 13.1km/ℓ  市街地モード 10.0km/ℓ  郊外モード 13.4km/ℓ  高速道路モード 14.8km/ℓ

メルセデス・ベンツEクラス E200スポーツ(BSG搭載モデル)ステーションワゴン 燃費:WLTCモード 12.7km/ℓ  市街地モード 9.9km/ℓ  郊外モード 12.9km/ℓ  高速道路モード 14.2km/ℓ

目に見えないところでは、安全運転支援システムの進化が著しい。ステレオカメラとレーダーセンサーによって周囲の交通状況を把握し、状況に応じて機能を作動させる「レーダーセーフティパッケージ」は、すべてのモデルに標準で装備する。大幅刷新版は、対向車線を横切って右折しようとするときに、対向車線を直進してくる車と衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキを作動させる「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能)」を追加した。

Eクラス E200スポーツ(BSG搭載モデル)のインテリア。セダンとステーションワゴンのインテリアは共通。opのAMGラインインテリアパッケージ52万5000円付き。

後席のスペースも充分だ。
シートはブラック(ナッパレザー)/グレーステッチ入り
トランクスペースはVDAで540ℓ

さらに、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能を採用した。2km/h以上で後方から歩行者や自転車、自動車などが近づいている場合、ドアミラー外側にある警告灯が赤く点灯。乗員がドアハンドルに手をかけた場合は、音と表示で乗員に警告する。このように、最新のEクラスは安全性にも磨きがかかっている。



ステアリングホイールは新しい意匠になると同時に、トルクで感知していた「ステアリングを握っている」判断を静電容量式センサーに切り換えた。いわゆるタッチセンサーだ。高速道路などの走行時に「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」を作動させている際、ドライバーはステアリングを握っているつもりなのに、「握ってください」という旨の警告が出ることがある。軽く触れているだけで握っていることを判断できる静電容量式では、こうしたシステムの誤解を減らすことができる。

ただ、静電容量式センサーを採用した影響か、新デザインのステアリングはグリップが太めだ。「ちょっと太すぎない?」と感じる人がいるかもしれない。E200のセンターコンソールはピアノラッカー調のトリムだったが、大幅刷新版は新たにインストルメントパネルに採用されるウッドトリムと同様のトリムを採用することで高級感を高めている。Eクラスのインテリアは従来から高級感に満ちあふれていたが、やはり磨きがかかった印象で、高級車の代名詞にふさわしい上質、かつ落ち着いたムードを漂わせている。

1.5ℓ直4エンジンとはまったく思えないほど1.7トンのボディを軽々と走らせる。48Vのマイルドハイブリッド(BSG)の威力アリだ。

走らせたときの印象がまたいい。ランフラットタイヤを履いているせいだろうか、低速時に路面との相性でゴツゴツ感を意識することもあるが、基本的には、「これぞ高級車」というゆったりした乗り味である。冒頭に記したように、エンジンの排気量は1.5ℓしかないが、市街地を周囲の流れに合わせて走っているときはもちろん、高速道路で本線に流入する際や、追い越しをかける際にアクセルペダルを深く踏み込んだときも、力不足を感じることはなかった。

リヤタイヤは275/35R19サイズ。セダンはグッドイヤーのイーグル、ステーションワゴンはピレリのチンチュラートP7を履いていた。
フロントタイヤは245/40R19サイズ。ランフラットタイヤである。乗り心地は低速域ではややごつごつとちょっと硬い印象があった。
リヤサスペンションは4リンク式
フロントはマルチリンク式だ。
エンジン 形式:1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ 型式:M264 排気量:1496cc ボア×ストローク:80.4mm×73.7mm 圧縮比:10.5 最高出力:184ps(135kW)/5800-6100pm 最大トルク:280Nm/3000-4000rpm 燃料供給:DI(筒内燃料直接噴射 燃料:プレミアム 燃料タンク:66ℓ ハイブリッドモジュール モーター形式:EM0018型交流同期モーター 定格出力:8kW/最高出力:10kW トルク:38Nm トランスミッション:9速AT

思わずあごが上がるほどの強烈な加速は望むべくもないが(E450やAMG E53など、ふさわしいモデルを豊富にラインアップ)、動力性能面での不足は一切感じなかった。むしろ、「ひょっとして2リッターじゃないよね?」と確認したほどだ。100km/hで巡航しているときのエンジン回転数は1500rpmに満たず(9速ATの恩恵でもある)、淡々と走っている限り、ノイズ面でエンジンを意識することはほとんどない。エンジンに無理をさせて走っている印象もなく、燃費の面でがっかりすることもなさそうだった。

100km/h巡航時のエンジン回転数は1450rpm前後。9速ATのおかげだ。ステアリングホイールの握りは太い。

「ハイ、メルセデス」の話しかけに応じて起動する音声認識によるインフォテインメント機能のMBUXには、今回新たにジェスチャーを読み取ることで操作を完了させる機能が追加になった。具体的には、センターコンソールにあるタッチパッドの上方でVサインをすると、自宅に戻るナビ設定であったり、アンビエントライトの設定だったりと、あらかじめ設定した機能を作動させることができる。ドライバーとパッセンジャーでひとつずつプリセットしておくことが可能だ。

じゃんけんで遊んでいるわけではない。新型Eクラスのナビはジェスチャー入力ができる。運転席、助手席それぞれひとつの機能をV字(つまり「チョキ」)に割り当てることができる。

ナビゲーションシステムにAR(Augmented Reality:拡張現実)機能が付加されたのも、新しいEクラスの特徴だ。目的地を設定すると、中央のディスプレイ(ドライバーの目の前のディスプレイともども12.3インチの大型サイズだ)に映し出される地図が要所でカメラが捉えた現実の風景に切り替わり、その風景の上に進むべき矢印が表示される。地図表示だと「ここで曲がるの? もうひとつ先?」と戸惑うような場面でも、実際の風景に矢印が載る格好だと間違いが少なくなり、知らない土地での運転時に感じるストレスが軽減されると感じた。

新機能のAR(拡張現実)機能。これがなんとも未来感あり、しかもわかりやすいのだ。

伝統にしがみつくばかりではなく、新しい技術に積極的に飛びついて導入するのもメルセデス・ベンツの特徴といえるだろう。そしてその特徴が、大幅刷新したEクラスをより魅力的に仕立てているのを感じた。

メルセデス・ベンツEクラス E200スポーツ(BSG搭載モデル)

全長×全幅×全高:4940mm×1850mm×1455mm

ホイールベース:2940mm

車重:1720kg

サスペンション:F4リンク式Rマルチリンク式

駆動方式:FR

エンジン

形式:1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ

型式:M264

排気量:1496cc

ボア×ストローク:80.4mm×73.7mm

圧縮比:10.5

最高出力:184ps(135kW)/5800-6100pm

最大トルク:280Nm/3000-4000rpm

燃料供給:DI(筒内燃料直接噴射

燃料:プレミアム

燃料タンク:66ℓ

ハイブリッドモジュール

モーター形式:EM0018型交流同期モーター

定格出力:8kW/最高出力:10kW

トルク:38Nm

トランスミッション:9速AT

燃費:WLTCモード 13.1km/ℓ

 市街地モード 10.0km/ℓ

 郊外モード 13.4km/ℓ

 高速道路モード 14.8km/ℓ

車両本体価格:769万円

オプション:AMGラインインテリアパッケージ52万5000円/エクスクルーシブパッケージ35万4000円/メタリックペイント9万7000円 オプション装備含む車両価格866万6000円

メルセデス・ベンツEクラス E200スポーツ(BSG搭載モデル)ステーションワゴン

全長×全幅×全高:4955mm×1850mm×1465mm

ホイールベース:2940mm

車重:1720kg

サスペンション:F4リンク式Rマルチリンク式

駆動方式:FR

エンジン

形式:1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ

型式:M264

排気量:1496cc

ボア×ストローク:80.4mm×73.7mm

圧縮比:10.5

最高出力:184ps(135kW)/5800-6100pm

最大トルク:280Nm/3000-4000rpm

燃料供給:DI(筒内燃料直接噴射

燃料:プレミアム

燃料タンク:66ℓ

ハイブリッドモジュール

モーター形式:EM0018型交流同期モーター

定格出力:8kW/最高出力:10kW

トルク:38Nm

トランスミッション:9速AT

燃費:WLTCモード 12.7km/ℓ

 市街地モード 9.9km/ℓ

 郊外モード 12.9km/ℓ

 高速道路モード 14.2km/ℓ

車両本体価格:810万円

情報提供元:MotorFan
記事名:「 メルセデス・ベンツEクラス「Hiメルセデス!」も「AR(拡張現実)ナビゲーション」も搭載! その完成度は?