ロイヤルエンフィールドは1901年に最初のバイクの製造した世界最古のバイクメーカー。現在はインドの自動車メーカー傘下のブランドになっているが、歴史は続いている。そのラインナップの中から代表的ともいえるクラシック500に試乗した。
REPORT●横田和彦(YOKOTA Kazuhiko)
PHOTO&EDIT:佐藤恭央(SATO Yasuo)
ロイヤルエンフィールド・クラシック500 ・・・71万3000円〜77万3000円
ロイヤルエンフィールドはイギリス生まれのブランド。1901年に初のバイクを製造したという世界最古のバイクメーカーである。しかしその歴史は順風満帆なものではない。一時は世界的な名車を数多く送り出し1955年にはインドでエンフィールド・インディアを設立した。しかし1960年代に入ると他国のバイクが台頭してきて経営を圧迫。1971年にはイギリスの本社が倒産してしまう。しかしインドの工場では車両の生産が続けられていて1993年にインドの自動車メーカー、アイシャー・モーターズがエンフィールド・インディアを買収。1994年にはロイヤルエンフィールド・モーターズと社名を変更し、1996年にはアイシャー・モーターズの1部門となり現在に至っている。
非常に数奇な運命をたどってきたメーカーだといえよう。日本では2020年5月にピーシーアイ株式会社がアイシャー・モーターズと「ロイヤルエンフィールド」の輸入総代理店契約を結んでいる。今後、東京都杉並区に「東京ショールーム」をオープンする予定があり、積極的に情報を発信していくというので楽しみにしたい。
ルックス通り、走りのフィーリングもクラシカルなもの。驚くほどエンジンパワーがあるわけじゃないし、ブレーキが強烈に効くわけでもない。バンク角も少ないし、俊敏なフットワークがあるわけでもない。しかしどんなシーンであっても車体にあったスピードで走っていれば不自由を感じることはない。
エンジンの特性上、一定のスピードで走り続けるのは得意なモデルなので、個人的には60〜80kmくらいで流しているときが“風”と“バイクの振動”と“排気音”がシンクロして気持ちがよかった。スペックではなく「走りのテイスト」を求めるライダーにとっては気になる1台だろう。
●ディテール解説
アナログ式のスピードメーター内にオドメーターを装備。その下にインジケーター類が配置されている。手前左がメインキーボックスで、右には燃料警告灯とエンジンチェックランプ、ABSランプが内蔵されている。
ニーグリップラバーが装着されたティアドロップ型のガソリンタンクは13.5リットルの容量が確保されている。タンクキャップは取り外し式。タンクにはロイヤルエンフィールドのロゴが入る。
フューエルインジェクションを装備しているのが現代のバイクらしい。これによって始動性や信頼性が向上している。
真っ直ぐに伸びたキャブトンタイプのメッキマフラーが美しい。排気音は単気筒らしく端切れのよいもの。ヒートガードも装備されている。
リヤタイヤを覆う大型リヤフェンダーにテールランプとウインカー、ナンバーが装備されている。派手さはなく質実剛健といった感じだ。
肉厚のタンデムシートの後ろにはグラブバーを備える。タンデムステップには滑り止めのゴムラバーが備えられている。
左のサイドカバーはキーで開閉できる。中にはヒューズボックスや車載工具が内蔵されている。右側にはエアクリーナーが収められている。
サイドスタンドのほかにメインスタンドも備えている。バンク角は少し減ってしまうが、メンテナンスするときなどはかなり役立つ。
■主要諸元■
全長:2,140mm
全幅:800mm
全高:1,080mm
シート高:805mm
乗車定員:2人
排気量:499cc
重量:195kg
エンジン:単気筒空冷4ストローク
最高出力:27.2bhp/5250rpm
最大トルク:41.3Nm/4000rpm
トランスミッション:5速マニュアル
フューエルタンク:13.5L
ブレーキ:Front=φ280mmディスク Rear=φ240mmディスク
タイヤ:Front=90/90-19 Rear=110/80-18