青山尚暉さんは、インテリアを基準に「美しすぎるクルマ」を選考。その結果、ホンダ eとDS7クロスバック、そして最新のシボレー・コルベットが選ばれた。特にホンダ eは、5つのディスプレイがずらりと並ぶ未来感あふれるインパネが印象に残ったそうだ。
TEXT●青山尚暉(AOYAMA Naoki)
クルマのデザイン、エクステリアをうっとり眺めている時間より、運転席に座り、運転しているときのほうが、デザインに触れる時間が長い...だから、エクステリア以上にインテリアデザインにこだわる、というのが、ボクの持論。
1台目:ホンダ e
で、ここ最近、感動したのが、ホンダe。前後どちらから見ても丸目2灯という、ほっこりできるエクステリアデザインもさることながら、乗り込んだ瞬間にクルマの未来を感じさせる、まるでウッディーなテーブルの上にあるような、世界初の5つものスクリーンをダッシュボード左右いっぱいに水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルが白眉。
ダッシュボード上のNFCマークにスマートフォンをかざせば、ホンダeに電源が入り、起動する。ここまでの流れだけでも、デザインの新しさを感じ取ることができる。
このサイズ、パッケージ、EV走行可能距離のピュアEVとして高めの価格も、このデザインが気に入れば、納得せざるを得ないだろう。
2台目:DS7 クロスバック
同じく、インテリアデザインとして突出していると思えるのが、DS7クロスバックだ。メカ好き、頑駄無好きにはきっとたまらない、まるで宇宙船を操縦しているような感覚になれる、シートからインパネ、センターコンソール周りのデザイン、スイッチ類、ブラック×控え目レッドのカラーコーディネーションも秀逸。
パリをオマージュしたというのは、日本生まれのボクにはちょっと理解しがたいものの、日本車やドイツ車からもっとも遠いところにある、粋すぎるデザインだと思える。こんなインテリアデザインのクルマを所有すれば、用もないのにステアリングを握ってしまいそうだ。
3台目:シボレー・コルベット(C8型)
最後にエクステリアを含むデザインにグッとくるしかない、価格対デザインで圧巻の1台が、C8と呼ばれる8代目新型シボレーコルベット。
FRからMRにレイアウト変更したコルベットは、アメリカ人の憧れのスポーツカーだが、そのエクステリアデザインはこれまでのコルベットとは一線を画す、ミッドシップならではのスーパーカー臭がむんむん。戦闘機のコクピットをイメージしたというデジタルコクピットのデザインも、乗り込んだ瞬間からアドレナリンを逆流させるのに十二分。これが1180万円からというのは、バーゲンプライスというしかない。だって、怒級スーパーカーそのもののデザイン、佇まい、パフォーマンスは2000万円級!?ですから。
ちなみに、リヤのラゲッジルームにはゴルフバッグが2セット入る実用性も持ち合わせているのだが、シボレー純正のゴルフバッグのデザインがまた、カッコ良すぎる!!
と、書いてきて、日本車にデザインに惚れ惚れさせられるクルマって、過去から現在まで、そうはないなぁ...とか思ったりもする。
『美しすぎるクルマ・ベスト3』は毎日更新です!
どんなに走りが楽しくても、どんなに乗り心地が良くても、ブサイクなクルマには乗りたくない。そう、デザインはクルマの命。ということで、これまで出会ったクルマの中からもっとも美しいと思ったベスト3を毎日、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。