10月2日、ボルボ・カーズは初のBEV(バッテリー・エレクトリック・ビークル)となる「XC40リチャージ」の生産を、ベルギーのゲント工場でスタートさせたことを発表した。XC40リチャージの生産開始は、2025年までにボルボ車1台あたりのCO₂排出量を40%削減するというボルボ・カーズの目標に向けた大きな一歩となるもの。また同社は、同年に世界販売台数の50%を電気自動車、残りをハイブリッド車にすると見込んでいる。
一回の満充電で400km以上の航続が可能。他のボルボ車と同様の安全性を確保
XC40リチャージは、Geely(ジーリー)グループ内で共同開発された先進的な車両プラットフォームである「CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)」をベースに開発。一回の満充電で400km以上の航続が可能だ。モーターは408hpを発揮する。バッテリーパックは、車体構造の中央に埋め込まれた安全ケージで保護されている。また、キャビン下部に配置することで重心を下げ、横転の危険性を減少させている。
XC40の優れた安全基準をベースにしながら、ボルボ・カーズの安全技術者は、エンジンがないことに対応するためにフロント構造を完全に再設計のうえ補強。ボルボの高い安全要件を満たしつつ、他のボルボ車と同様の安全性を確保している。
XC40リチャージには、Androidを搭載した新しいインフォテインメントシステムを採用。これは、これまでにないパーソナライゼーション、別次元の直観的操作性を有するGoogleアシスタント、Googleマップ、Google PlayストアなどGoogleのテクノロジーとサービスを提供。また、より大きなソフトウェアやオペレーティングシステムのアップデートが無線で行なわれる。
車内では、機能性を追求した革新的なアプローチにより、ドアやトランクなどの収納スペースが豊富に確保されている。内燃機関を搭載していないため、ボンネットフードの下には「フランク」と呼ばれる収納スペースが設けられている。
すでに需要は旺盛で、欧州では現在も注文受付を続けているが、今年製造される予定の車両はすでに完売。市販される最初の車両は、今月下旬に欧州の顧客に納車される予定だ。なお、日本では2021年中に受注が始まる予定だ。