中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。
また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。
そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。
今回は、2012年11月に国内デビューしたスバルのCセグメントSUV「フォレスター」の四代目をご紹介しよう。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●SUBARU
初代(1997年2月~)および二代目(2002年2月~)のフォレスターは、メカニズムの多くを共有するインプレッサのクロスオーバーワゴンと言うべきモデルで、ホットなSTi仕様を設定するなど、とりわけスポーティな性格が与えられていた。
だが2007年12月にデビューした三代目は全高が85mmアップするなどボディサイズが全面的に拡大されるとともに、力強いスタイルに悪路走破性、広々とした室内空間を兼ね備えた、スタンダードなSUVへと大きく舵を切った。
2012年11月に発売された四代目はこの三代目の正常進化版と言えるものだが、パワートレインが一新され、FA20型2.0L水平対向4気筒直噴ターボ「DIT」エンジンと、FB20型2.0L水平対向4気筒NAエンジンの二種類に。後者には6速MTとの組み合わせも設定されたが、主力となったトランスミッションは新世代のチェーン式CVT「リニアトロニック」だ。
【2012年11月13日発表・発売】フルモデルチェンジ(A型)
「2.0i」
エントリーグレード。AWD・6MT/CVT:208万9500円
「2.0i-L」
装備充実グレード。AWD・6MT/CVT:240万4500円
「2.0i-Lアイサイト」
2.0i-Lにアイサイト(Ver.2)を装着。AWD・CVT:250万9500円
「2.0i-Sアイサイト」
18インチタイヤやパワーリヤゲート、アイサイト(Ver.2)をを備えたNAのスポーティグレード。AWD・CVT:277万2000円
「2.0XT」
ターボエンジンに専用の内外装・ボディ・サスペンション・ブレーキを採用した走りのトップグレード。283万1850円
「2.0XTアイサイト」
2.0XTにアイサイト(Ver.2)を装着。AWD・CVT:293万6850円
【2013年10月29日発表・発売】一部改良(B型)
【2014年5月27日発表、5月30日発売】特別仕様車
【2014年5月27日発表、5月30日発売】特別仕様車
最上級グレード「2.0XTアイサイト」の質感をさらに高めた「アドバンテージライン」を設定。外装にはハイラスター塗装の専用18インチアルミホイールやサテンメッキドアミラー、内装にはウルトラスェード表皮のブルーステッチ入りシート&ドアトリム、高級本革ステアリングホイール、ブルーメタリックドレープの加飾パネルなどを採用している。価格は307万4760円。
【2014年11月25日発表・発売】一部改良(C型)、特別仕様車
全グレードにシャークフィンアンテナを採用したほか、室内に金属調やピアノブラック調の加飾を採用して質感をアップ。また8スピーカーの「ハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション」を新たにメーカーオプション設定した。
継続設定された「X-BREAK」(268万9200円)には、新たに専用ボディカラーのタンジェリンオレンジ・パールとデザートカーキが設定されている。
新しい特別仕様車の「Sリミテッド」(282万9600円)はターボ車の外装をNA車に装着したモデル。また2.0XTアイサイトをベースにSTIが内外装やボディ・サスペンション・ブレーキに加えアイサイトやVDCまで専用チューンしたコンプリートカー「tS」(435万円)が、300台限定で発売された。
なお、「2.0i-S」「2.0i-Sアイサイト」「2.0XT」が廃止され、グレード構成は下記の通りとなっている(いずれもCVT・AWD車。「2.0i」「2.0i-L」には同額の6MT車もあり)。
「2.0i」 214万9200円
「2.0i-L」 247万3200円
「2.0i-Lアイサイト」 258万1200円
「X-BREAK」 268万9200円
「Sリミテッド」 282万9600円
「2.0XTアイサイト」 302万760円
「tS」 435万円
【2015年4月14日発表、6月1日発売】特別仕様車
アイサイト搭載車がJNCAP最高ランクの「先進安全車プラス(ASV+)」を獲得したことを記念し、2.0i-Lアイサイトをベースとして、専用ウルトラスエードシート、専用シルバーカーボン調インパネ加飾パネル、専用ドアトリムなどを採用。価格をベース車と同額(258万1200円)に抑えた特別仕様車「プラウドエディション」を設定した。
【2015年10月28日発表、11月2日発売】マイナーチェンジ(D型)、特別仕様車
「2.0i」 214万9200円
「2.0i-L」 258万1200円
「2.0i-Lアイサイト」 268万9200円
「X-BREAK」 275万4000円
「Sリミテッド」 289万4400円
「2.0XTアイサイト」 312万8760円
【2016年7月11日発表・発売】特別仕様車
【2016年10月3日発表・発売】特別仕様車
スバル初の水平対向エンジン搭載車「スバル1000」の発売から50周年を記念した特別仕様車の第六弾として「スタイルモダン」を設定。
「2.0i-Lアイサイト」(280万8000円)をベースに、ブルーグリーンステッチを施したグレーのウルトラスェード×ブラック合皮シートを採用。外装はサイドウィンドウ全周とサイドクラッディングにクロームモールを装着した。
【2017年3月13日発表、4月3日発売】一部改良(E型)
【2017年7月25日発表、8月22日発売】特別仕様車
「Sリミテッド」(280万8000円)と「2.0XTアイサイト」(300万2400円)をベースに、ダークメッキのフロントグリル、ブラックのドアミラー・シャークフィンルーフアンテナ・ルーフレールを装着。室内にはシルバー加飾パネルを採用する「スマートエディション」を設定した。
なお、クロームウインドゥモール、アルミパッド付スポーツペダル、運転席&助手席8 ウェイパワーシート、後席シートヒーターを省略することで、ベース車より価格を抑えている。
■スバル・フォレスター2.0XTアイサイト(F-AWD)*2012年11月発売モデル
全長×全幅×全高:4595×1795×1695mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1590kg
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCターボ
総排気量:1998cc
最高出力:206kW(280ps)/5700rpm
最大トルク:350Nm/2000-5600rpm
トランスミッション:CVT
サスペンション形式 前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前後:225/55R18
乗車定員:5名
車両価格(当時):293万6850円