新型コロナウイルスの影響で全世界的に自動車販売は前年から大きく落としている。そんななかスポーツカーの本場、アメリカのマーケットはどうだったのか? 2020年Q1〜Q2(上半期)の「コンパクトスポーツカー」のセールスデータを見てみよう。
北米におけるスポーツカーのシェア(市場占有率)は、約1.6%だという。コロナ禍で大きく販売台数を落としているのは、スポーツカーも例外ではない。2020年のQ1/Q2(上半期)のスポーツカーの販売台数は前年同期比で23%のダウンとなっている。
このカテゴリーの王者は、フォード・マスタングである。
コンパクトスポーツカーより上級の、いわゆるエキゾチックスポーツカーのカテゴリー(アキュラNSXやポルシェ911、日産GT-R、レクサスLC、アウディR8など)の不動のトップがシボレー・コルベットであるのと同様に、アメリカではやはりアメリカンスポーツカーの人気が高いのだ。
マスタングの強さは、昨年同期比でマイナス12%で踏みとどまっていることからもわかる。
2位のダッジ・チャレンジャーもマイナス23%の2万2018台となっている。
3位はマスタングの永遠のライバル、シボレー・カマロである。カマロは前年同期比マイナス43%とやや振るわなかったが、マスタング、チャレンジャー、カマロのアメリカン・スポーツカーで市場の約80%を占めているのだ。
アメリカントップ3の次は?
アメリカントップ3の次にくるのは、マツダMX-5 Miata(ロードスター)である。MX-5はコロナ禍にもかかわらず前年同期プラス10%の4320台を売り上げた。北米での人気の高さは、30年の歴史に裏打ちされたもの。
5位はヒュンダイ・ヴェロスター(Veloster)。2011年に生まれたヴェロスターは、クーペと2ボックスハッチバックの間のようなスタイルだ。2019年はMX-5よりよく売れて第4位だったのだが、コロナウイルスの影響で20年は5位となった。
6位は、BMW Z4。1349台だ。兄弟車であるトヨタ・スープラの販売状況が気になるが、トヨタはQ2のセールスデータを発表していない。Q1(1-3月)が273台だったことを考えると、上半期で500台程度だったと推定される。
7位と8位はJスポーツカー。トヨタ86と370Z(フェアレディZ)である。どちらもデビューからだいぶ時間が経っていてスポーツカーとしては新鮮味がなくなっているが、セールスをさほど落としていない(Zに至ってはプラス)のはさすが。10位のスバルBRZの962台と合わせれば、86/BRZで2311台となる。
9位はフィアット・スパイダーで969台。こちらはMX-5の兄弟車(86/BRZを兄弟車というなら従兄弟車くらいか)である。
グラフには載せていないが、11位以下はこうなっている。
11位:メルセデス・ベンツSLC 920台
12位:ポルシェ718 872台
13位:アウディTT 426台