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フィアット500L:標準仕様のほか「クロス」、「スポーツ」、ロングボディの「ワゴン」などを設定【これは欲しい! 日本で正規販売されていないクルマ】


「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」




そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。




そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画、四台目はフィアットが欧州のほか北米でも展開する小型クロスオーバーMPV「500L」を紹介したい。




TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●FCA

世界中のマーケットをSUVが席巻するのと引き換えに、衰退していったカテゴリーが存在する。その一つがセダン、そしてもう一つがMPV(ミニバンおよび背高ワゴン)だ。




日本では日産プレーリー(1982年)、北米ではダッジ・キャラバン(1983年)、欧州ではルノー・エスパス(1984年)がミニバンの元祖とされるが、いずれの市場も全盛期は1990年代後半から2000年代前半にかけて。その後はSUVの隆盛と反比例するように、ミニバンの販売台数および車種数は減少の一途を辿っていった。




ミニバンが衰退した理由としては、外見がファミリーカー然としている、居住性や積載性を重視すれば運動性能・乗り心地や衝突安全性能の面で不利、背を低くすればステーションワゴンと居住性は大差ない、など様々な要因が挙げられるだろう。




ともあれ、技術の進化によって、SUVが本来の走破性や力強い外観に加え、ミニバンに取って代わるほどの運動性能・乗り心地と居住性・積載性を実現できるようになったことが、最も大きいと考えられる。




その結果、日本ではどうなったか。マツダとスバルがMPV市場から撤退し、他のメーカーも比較的背の低いMPVを順次モデル廃止にしていった。その後生き残ったのは、自車の後ろに付かれたら思わず避けたくなるような、オラオラ顔で背の高い箱形MPVばかりである。




背の低いMPVは売れない。そして、上品なスタイルのMPVも売れない。この日本市場特有の嗜好に真っ向から挑んだのがホンダとマツダ、全面的に迎合したのがトヨタだが、大成功を収めたのは無論後者だ。

【フィアット500Lワゴン(左)】全長×全幅×全高:4375×1784×1667mm、ホイールベース:2612mm【フィアット500L(右)】全長×全幅×全高:4242×1784×1658mm、ホイールベース:2612mm

では、丸みを帯びた可愛らしいスタイルで、背の高さはほどよい小型クロスオーバーMPVはどうか? そんな希有なキャラクターを持つのが、今回ご紹介する「フィアット500L(チンクエチェント・エッレ)」である。

フィアット500(写真はハイブリッド)のエクステリア
フィアット500(写真はハイブリッド)の運転席まわり
フィアット500X(写真はスポーツ)のエクステリア
フィアット500X(写真はスポーツ)の運転席まわり

2012年のジュネーブショーで世界初公開された500Lは車名の通り、2007年に発売された三代目500と共通のデザインモチーフを備えているが、そのスタイルは後に2014年のパリサロンでデビューした500Xにむしろ近い。そしてそのベースとなったのは、500と同じ二代目フィアット・パンダでもなく、500Xと同じジープ・レネゲードでもなく、同じBセグメントの三代目フィアット・プントのプラットフォームだ。

フィアット500Lクロス

フィアット500Lスポーツ

現在のボディタイプは標準仕様のほか、クラッディングを装着するなどして全長×全幅×全高を34×16×21mm拡大した「クロス」(北米仕様は「トレッキング」)、全長が133mm長く全高が9mm高い3列7人乗り仕様も設定するロングボディの「ワゴン」(欧州のみ)、クロスと同じワイドボディながら精悍な装いの「スポーツ」(北米も同じ)などがあり、いずれも500ならではのレトロモダンで親しみやすいテイストとなっている。

フィアット500Lスポーツの運転席まわり

フィアット500L・2列5人乗り仕様の室内

フィアット500Lワゴン・3列7人乗り仕様の室内

室内は、500にも500Xにも似ているようで別物のインパネに、アップライトに近い姿勢で2列5人もしくは3列7人が快適に過ごせる空間を備えた、500L独自のもの。友達同士で遠くへ出掛けるのはもちろん、小さな子供のいるファミリーが毎日の買い物に使うのにも便利なはずだ。




パワートレーンは、北米向けは1.4L直4ガソリンターボ+アイシンAW製6速ATのみだが、欧州向けは1.4L直4ガソリンNAと1.6L直4ディーゼルに6速MTを、1.3L直4ディーゼルに5速MTまたは5速のデュアロジック(ロボットMT)を組み合わせている。




もし日本に導入されるとすれば、ベストなのは500Lワゴンの7人乗りに、北米仕様の1.4L直4ガソリンターボ+アイシンAW製6速ATの組み合わせだが、欧州仕様の1.3L直4ディーゼル+5速RMTも捨てがたい。




いずれにせよ、この個性的なイタリアンMPVが日本に導入され、縮小し画一化された日本市場に一石を投じることを、心から願わずにはいられない!

■フィアット500Lワゴンラウンジ1.3マルチジェット16Vデュアロジック(FF)*イタリア仕様


全長×全幅×全高:4375×1784×1667mm


ホイールベース:2612mm


車両重量:不明


エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


総排気量:1248cc


最高出力:70kW(95ps)/3750rpm


最大トルク:200Nm/1500rpm


トランスミッション:5速RMT


サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/トーションビーム


ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ドラム


タイヤサイズ 前後:205/55R16


乗車定員:7名


車両価格:2万5700ユーロ(約323万円)
フィアット500Lワゴン

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