中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。
また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。
そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。
今回は、2011年11月に国内デビューしたスバルのCセグメントカー「インプレッサ」の四代目をご紹介しよう。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●SUBARU
スバル・インプレッサは三代目まで、EJ20型2.0L水平対向4気筒ターボエンジンにMT、フルタイム4WDを組み合わせた「WRX」および「WRX STi」を走りのトップモデルとして設定していた。
またこれが、1992年から2000年まで販売された初代では、市販車の性能がラリーでの戦闘力を左右しやすいグループAマシンをトップカテゴリーとしていたWRC(世界ラリー選手権)の向けのホモロゲーションモデルとなった。
2000~07年販売の二代目、2007~11年販売の三代目では、スバルのWRC参戦マシンがすでに改造自由度の高いWRカー規定に移行していたため、市販車との直接的なつながりは薄れていたものの、引き続き「WRX」や「WRX STi」を設定し、WRCをルーツとする超高性能スポーツセダン&ハッチバックとしてのキャラクターを堅持している。
だが、2011年11月にインプレッサがわずか4年半でフルモデルチェンジし、5ドアハッチバックの「スポーツ」と、4ドアセダンの「G4」をラインアップする四代目となった際、「WRX STI」と、2010年6月に発売されたクロスオーバーモデルの「XV」は、三代目インプレッサをベースとしたモデルの販売を継続しつつ、いずれもインプレッサから独立した車種となった。
こうして誕生した四代目インプレッサが目指したのは、日常的な場面で扱いやすくコストパフォーマンスに優れたベーシックカー。「New Value Class」を商品コンセプトとし、「スタイリッシュな外観と質感の高い内装」「軽快で気持ちの良い走り」「燃費のよさを実感できる環境性能」が開発の主要テーマに掲げられた。
【2011年11月30日発表、12月20日発売】フルモデルチェンジ(A型)
グレード構成はスポーツ、G4とも下記の通りで、価格も同一。
「1.6i」…1.6L車のベーシックグレード。FF・CVT:155万4000円、AWD・5速MT:169万500円、AWD・CVT:174万3000円
「1.6i-L」…1.6L車の装備充実グレード。FF・CVT:171万1500円、AWD・5速MT:184万8000円、AWD・CVT:192万1500円
「2.0i」…2.0L車のベーシックグレード。FF・CVT:185万8500円、AWD・CVT:208万9500円
「2.0iアイサイト」…2.0iにアイサイト(Ver.2)を装着。AWD・CVT:219万4500円
「2.0i-S」…17インチアルミホイールなどでスポーティな装いに。FF・CVT:199万5000円、AWD・CVT:222万6000円
「2.0i-Sアイサイト」…2.0i-Sにアイサイト(Ver.2)を装着。AWD・CVT:233万1000円
【未公表、2012年7月発売】仕様変更
ボディカラーのラインアップを一部変更した。
【未公表、2012年10月5日発売】一部改良(B型)
「XV」の発売に伴い、ヒルスタートアシストを全車に標準装備。ボディカラーのラインアップを一部変更した。
【未公表、2013年4月発売】仕様変更
G4のボディカラーのラインアップを一部変更した。
【2013年5月14日発表、5月31日発売】特別仕様車
【2013年10月29日発表、11月12日発売】一部改良(C型)
【2013年12月24日発表、2014年2月4日発売】特別仕様車
【2014年11月25日発表・発売】マイナーチェンジ(D型)、特別仕様車
「1.6i」…FF・CVT:159万8400円、AWD・5速MT:173万8800円、AWD・CVT:179万2800円
「1.6i-L」…FF・CVT:176万400円、AWD・5速MT:190万800円、AWD・CVT:197万6400円
「1.6i-S」…FF・CVT:181万4400円、AWD・CVT:203万400円
「2.0i」…FF・CVT:191万1600円、AWD・CVT:214万9200円
「2.0iアイサイト」…AWD・CVT:225万7200円
「2.0i-S」…FF・CVT:207万3600円、AWD・CVT:231万1200円
「2.0i-Sアイサイト」…AWD・CVT:241万9200円
また、「スポーツ2.0iアイサイト」をベースとして、ルーフレールやサンルーフ、専用アルミホイールなどを装着してアウトドア色を強めた特別仕様車「アクティブスタイル」(AWD・CVT:254万8800円)を設定した。
【2015年4月14日発表・発売】特別仕様車
【2015年5月19日先行予約開始、6月19日発表、7月10日発売】追加モデル
「スポーツ」にスバル独自のパラレル式AWDハイブリッドシステムを採用した「ハイブリッド」を追加。エンジンは2.0L、トランスミッションは駆動用モーターを一体化した専用リニアトロニックのみを設定し、JC08モード燃費20.4km/Lを実現した。
これに合わせ、タイヤサイズをガソリン車の205/50R17から215/50R17へと拡大し、フリクションを抑えたダンパーを採用するなど、サスペンションセッティングを変更。液体封入エンジンマウントの採用や遮音材・吸音材の追加・強化で、静粛性も高めている。
エクステリアは専用のフロントバンパーやスポイラー、インテリアはブルーのアクセントなどでコーディネート。そのほか、ハイブリッドシステムとアイサイトを協調制御する「ECOクルーズコントロール」を実装した「アイサイト(Ver.2)」を全車標準装備した。
グレードは「ハイブリッド2.0iアイサイト」(AWD・CVT:250万5600円)と「ハイブリッド2.0i-Sアイサイト」(AWD・CVT:263万5200円)の2種類。
【2015年10月6日発表、10月14日発売】一部改良(E型)
■スバル・インプレッサスポーツ2.0i-Sアイサイト(F-AWD)*2011年12月発売モデル
全長×全幅×全高:4415×1740×1465mm
ホイールベース:2645mm
車両重量:1350kg
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1995cc
最高出力:110kW(150ps)/6200rpm
最大トルク:196Nm/4200rpm
トランスミッション:CVT
サスペンション形式 前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後:205/R17 84W
乗車定員:5名
車両価格(当時):233万1000円