starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

λ=2でリーン燃焼するスバルの1.8ℓボクサーターボ「CB18型」とはどんなエンジンか? 新型レヴォーグ搭載の新エンジンは最新技術が詰まった完全新規開発だ(後編)


熱効率40%超を実現した新開発1.8ℓ水平対向4気筒ターボエンジンは技術的見所が多い。画像ギャラリー(画像をクリックすると画像ギャリーに飛べます)に、写真もできる限り多く掲載した。


(記事中、スペックは参考値)


TEXT◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi〕PHOTO◎山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

エンジンの骨格部分については前編で解説した。

CB18エンジンを車両右斜め前方から見る。

同じく左斜め前方から見る。

CB18エンジンのトランミッション側(バルクヘッド側)から見る。

このCB18DIT(過給エンジンのみだからあえてDITをつける必要はないが)型は、現行FB16DITの代替として開発された(FB16型は自然吸気とターボエンジンがある)。




FB16DITのパワースペックは


最高出力:170ps(125kW)/4800-5600rpm


最大トルク:250Nm/1800-4800rpm




対する新型CA18DITは


最高出力:177ps(130kW)/5200-5600rpm


最大トルク:300Nm/1600-3600rpm


 と7ps/50Nmの向上だ。




排気量200cc(正確には196cc)アップでわずか7psしか最高出力を上げていないところに、新型CA18型のコンセプトが現れている。CA18は「下(低回転域のトルク)を削って、上(ピークパワー)を絞り出すことはしていません。下からしっかりトルクを出すというコンセプトです。1000rpm、2000rpmの領域のトルクはお客様に毎日使ってもらえる性能だからです」とエンジニアは説明する。

これを見てもわかるように、現行レヴォーグにある2.0ℓターボ(FA20DIT)の代替の役割はCA18型にはない。これは将来2.4ℓのFA24ターボの搭載の可能性は残すが、まずは新型レヴォーグはこのCA18DIT一本で勝負するという意思の表れだ。

リーンバーンは、空燃比いくつで燃やすのか?

新型レヴォーグのエンジンルーム。

エンジン長がFB16DITより40mm短縮されたことでエンジン前方には余裕がある。

CA18のハイライトは、なんといっても「リーン燃焼」だ。スバル開発陣が取り組んだリーン燃焼は、


・負荷率約40%かつ2400rpm以下の領域


・λ=2(つまりストイキ燃焼の2倍の空気量)で燃焼する


だという。


またドライバーにリーン燃焼を気づかせない、というのも開発コンセプトにある。




郊外路を一定速で走る、高速道路で80km/h巡航ならリーン燃焼。エンジンの暖機が終わっていたら、おとなしく走っているときはほぼリーン燃焼でいけるという。そこから先は通常のストイキ燃焼に切り替わるが、その切り替えをドライバーが気づくことはないほど自然に切り替わる。「λ=2から1への移行は、センサーを駆使してショックがでないように切り替えます」とのことだ。

燃焼室周りを見る。

吸気2/排気2の4本のバルブのセンターに点火プラグと直噴インジェクターが見える。

リーン燃焼のポイントは、とにかく火が着きにくい、燃えにくいということだ。「燃料と空気と点火」がポイントになる。




「火を確実に着ける」ために、FB型ではサイドから噴いていた(サイドインジェクター)直噴インジェクターの位置を、点火プラグ近傍のトップの位置に変更している。




着いた火を消さないように制御するのは、基本的にシリンダー内の空気の流れ(タンブル流)を強化することで対応したという。S/B比(ストローク/ボア比)をロングストローク化することで吸気流速が高まったため、タンブル・ジェネレーターバルブは新型では廃止された。

ロングストローク化にともなって強化されたタンブル流のため、FB16DITでは装備していたTGV(タンブル・ジェネレーターバルブ)はCB型ではつかない。

中央に金色に輝いているのが大型EGRクーラー。金色なのは展示するためのカットモデル用のため。

また大型EGRクーラーを採用し、EGR(Exhaust Gas Recirculation=排ガス再循環)ガスをしっかり冷やしてその上で緻密にコントロールしてシリンダーへ入れる。

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.