エンジンの燃料エネルギーを直接受け止めるピストン、そしてそれをクランクシャフトに伝えるコンロッド(Connecting Rod)。エンジンの3C部品の華ともいえる存在だ。ここでは、トヨタ・クラウン、レクサスNX/IS/RXなどが搭載する2.0ℓ直4ターボエンジン(8AR-FTS型)の高い燃焼圧力への対応するピストンとコンロッドに迫ってみよう。
直噴とポート噴射を組み合わせた燃料系を持ち、高タンブルによる急速燃焼で出力/トルクを得るエンジンだけに、回転系部品の軽量化は徹底して行なわれている。コンロッドはロッド面の断面積をできるだけ削り、全体の重量は前世代に比べて約40%低減された。強度を高めながらも切削加工性はHV300並みである。ピストンはハイトが低くスカートが短い。強いタンブル流を得るために設計を詰めた冠面の精度を確保するため、鋳造時には冠面に「ツノ」が出ないようにした。ピストンのトップリングには鋳鉄を鋳込み、過給エンジンの高い燃焼圧にも充分耐えられる。最新の過給エンジンはここまで配慮しているという見本と言える。
8AR-FTS
シリンダー配列 直列4気筒
排気量 1998cc
内径×行程 86.0mm×86.0mm
圧縮比 10.0
最高出力 180kW/5800rpm
最大トルク 350Nm/1650-4000rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI+PFI
VVT/VVL In-Ex/×