今や世界のGTレースの主流となったGT3およびGT4規定マシン。多くのプライベート・チームやアマチュア・ドライバーに支持されているGT4既定マシンの中でも異色とも言えるアメリカン・マッスルカーの1/24スケールモデルがタミヤから発売される。
世界的に人気の高いGTカーによるレースも、その人気の高さに比例して年々とマシンの性能が向上、それに伴って価格も高騰し、レースに参戦できるのは豊富な資金力と卓抜した技術力を持ったメーカーのワークスチームかメーカー直系プライベートチーム(=セミワークスチーム、サテライトチーム)に限られるようになり、参戦台数の減少に伴って急速に衰退の一途をたどった。
改造無制限とも言える最高峰のGT1規定マシンを用いるGT1クラスは消滅、それに続く、やや改造制限のかかったGT2クラスも消滅し、現在の主流は市販車を基本とするGT3規定に則ったマシンを用いるGT3クラスだ。しかし近年はそのGT3クラスさえ高性能化と高コスト化が進展しているため、早くも将来を危ぶまれている。そんな中で注目を集めているのが、GT3規定よりもさらに改造範囲の制限が強められたGT4規定に則ったマシンによるGT4クラスである。
GT4マシンは「メルセデスAMGGT4」「ポルシェ ケイマンGT4」「アウディTT GT4」「BMW Z4 GT4」「アストンマーチン ヴァンテージGT4」といった欧州車やトヨタの「GRスープラGT4」などが有名だが、アメリカ車は珍しい。今回、タミヤはその「フォード マスタング GT4」を1/24スケールで模型化した。
「フォード マスタング GT4」は2016年の「SEMA」ショーで初公開されたフォードの市販レーシングカーで、ベースとなったのはマス タングのハイパフォーマンス・バージョンである「シェルビーGT350R-C」。フォードのレース部門であるフォード・パフォーマンスの手によって徹底したチューニングが施され、本格的なレーシングマシンに仕立て上げられている。
レース用にチューニングされて580psを発揮する5.2ℓ V8エンジンをフロントに搭載し、6速シーケンシャル・トランスミッションを装備。左右ドアやルーフ、ボンネットなどをカーボンファイバー製に変更して軽量化。大型リヤウイングやリヤディフューザーなどによりエアロダイナミクスも改善。さらにサスペンションも基本構成こそ市販車のままながら、アンチロールバーやアジャスタブルダンパーマウントなどを装着。リヤのロワコントロールアームは専用品となっている。
2017年3月のレースで初勝利を飾り、その後もアマチュアドライバーの手に委ねられた多くのマシンが、現在も世界のGT4レースで活躍を見せている。
タミヤはこの「フォード マスタング GT4」の迫力あふれるパワフルなフォルムを実感たっぷりにモデル化。ロールケージを張り巡らし、フルバケットシート、消火器などを備えたレース仕様の室内と装備を再現しているほか、ボンネットのエアベント、サイドのエアアウトレット部、ボンネットファスナーなどは、塗り分けを考慮して別パーツ化。 マフラーエンドやライトケース、ドアミラーなどはメッキ部品で再現している。ウインドウ塗装用のマスクシール(カット済み)も付属。
6月27日(土)ごろ発売予定、予価4,400円 (本体価格 4,000円) だ。