マツダは、新型コロナウイルス感染防止に向けた支援活動として、軽症患者や無症状の病原菌保有者等を搬送する車両を6月5日に広島県に納入した。納車式は同日に広島県庁で行なわれた。
マツダとして貢献できること保健所などにヒアリング
なお搬送車両の仕様として、特徴となるのは3点。
まず、前席の乗員の感染リスクを低減するとともに、前席と2列目席の間に大型の窓をもつ隔壁を設置。これまでの搬送車は、後方視界があまり良くなかったとの声があり、隔壁の透明なウインドウ部分をできるだけ大きくするように設計された。
標準装備の空調に加えて、後席排気システムを装備することにより、後席の圧力を低くして前席への空気流入を抑制。排出ブロアには高性能なHEPAフィルターを装備。このHEPAフィルターはJISで規格が決められており、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもつ。よって排出した空気の中のウイルスも効率的に捕集するものとなっている。
また、感染者搬送後の手入れのしやすさに配慮し、フロアマットのラバー化で除菌、洗浄しやすさを実現。座席に使い捨てのビニールカバーを装備し、感染者搬送後の消毒などの作業負担を軽減した。
そして、さらなる扱いやすさを求めてオプション装備を設定した。前席と後席の隔壁越しにも、話がしやすい通話システムの設定。さらに、前席と後席の圧力差を確認できる、差圧計も用意されているという。これらも、搬送の担当者の声によるもので、感染患者の状態を確認するために会話をすることが多く、隔壁があっても会話がしやすいようにして欲しいとの要望に応えたもの。圧力計についても、適切な換気が実現できていることを確認できると安心、という希望からの設定としている。