エンジンの話でよく登場する「ロングストローク」と「ショートストローク」。ロングストロークはトルク重視型、ショートストロークが高回転型、などとよく言われるか、そもそもロングストローク型とはなんなのか?
トルク重視型エンジンはロングストロークだと言われる。右の図はS(ストローク)/B(ボア)比が2、つまりストロークがボアの2倍というエンジンを示す。コンロッドがシリンダーライナーと干渉するギリギリのところで設計されたエンジンだが、ピストンが上死点から下死点まで移動する距離が長いぶんだけ受け取る仕事量が増えると考えていい。当然、エンジン高も高くなり車両搭載性の点で実現が難しい。
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一般的にはS / B比が1.0を超えればロングストロークと呼ばれ、1.0を下回るとショートストロークと呼ばれる。最近の傾向では、燃費(つまりCO2排出抑制)に降ったロングストロークエンジンは1.3程度である。なぜそういうエンジンが燃費型なのかといえば、冷却損失の小ささが理由だ。シリンダー内壁と燃焼室部分の表面積を計算すると、ロングストロークエンジンはショートストロークエンジンよりも小さい。これは、シリンダー壁面から冷却水に奪われる熱量が小さい、つまり熱損失が少ないことを意味する。