
「自分は運転が苦手でちっとも上手にならないなあ」とか
『なんか最近上手く運転でいないなあ?」なんて思っている貴方。
自分の腕前ではなく、クルマを疑ってみるのもアリかもしれません。
REPORT:森田 準(ニューモデル速報編集部)

職業柄、幸せなことに様々なクルマを運転するのですが、
ポルシェのような良くできたスポーツカーに乗ると、あまりに思い通りに動くので、まるで運転が上手くなったような気になることがある。
ハンドルは切った分だけ曲がってくれるし、ブレーキも踏んだ分だけ減速してくれる。
まさに意のままに走ってくれるからだ。
まあ、それは大概、クルマのおかげによる一時的な錯覚なのですが......。
ただ、まったく逆の経験をすることもある。
デキの悪いクルマとは言わないが、どこかしらに不調があるようなクルマに乗っていると、運転がヘタになった気がすることもあるんです。
そもそも運転が上手いとか、ヘタだとか、苦手だとかいうのは、自分の思い通りにクルマを動かせるかどうか? ということと考えれば、責任転嫁するわけではなく、”クルマのせい”という側面はあるでしょう。
例えば、ハンドル操作に対してクルマの反応が遅ければ、ドライバーはクルマの向きが変わるまでハンドルを切り続けてしまう。
となるとハンドルを切りすぎてしまい、さらにそれを戻すために修正舵を当てることになる。という悪循環に陥ったりします。
カーブの立ち上がりでクルマがフラフラするのは、ハンドルの応答性遅れが要因のひとつ。
操作に対する応答の遅れが少なく、ハンドルを切った分だけクルマが曲がってくれれば、余計にハンドルを切ったり戻したりする必要もないし、クルマが曲がりすぎることもなく、思った通りにカーブを曲がれる。
冒頭に例として挙げたポルシェなどは、そういった部分が優れているので。気持ちよく走れるし、運転が上手くなった気にさせてくれるんだと思います。
だから皆さん! ポルシェに乗ろう!
という訳ではなく、ここでお伝えしたいのは、タイヤの空気圧。
なんだ、そんなことかとよ! と思わず。もう少々お付き合いください。
単純だけど大切なのはタイヤの空気圧!
例に挙げたポルシェだって、タイヤの空気圧がデタラメだったら、100%の性能は出せません。
皆さんがお乗りのミニバンでもSUVでも、状況はまったく同じ。
もちろんスポーツカーとミニバンでは、元々の目的や性能が違いますから、空気圧次第でスポーツカーのハンドリングになるわけではありませんが......。
日頃から空気圧を気にして調整している方には釈迦に説法になってしまいますが、
空気圧に無頓着な方は、要注意!
愛車が持っている性能のすべてを引き出すために、単純なことだけど、タイヤの空気圧はとても重要なんです。
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愛車が持っている性能のすべてを引き出すために、単純なことだけど、タイヤの空気圧はとても重要なんです。
一例を挙げると、
サーキットでのタイムアタックを楽しむようなドライバーは常に空気圧を気にしていて、走行前の調整はもちろん、タイヤが温まって空気圧が上昇した状態でもう一度、好みの空気圧に調整して走ります。
それほどタイヤの空気圧は、クルマの操作にとって重要なんですね。
(サーキットから帰る前にも、冷えて低くなった分、空気を足すことも)
これは極端な例ですが、我々が普段走っている街乗りの状況であっても、
空気圧が規定値より少なくなれば、タイヤのたわみが多くなり、通常よりもハンドル操作に対する反応が遅くなる上に、しっかり感もなくなってしまいます。
これらのことはメカに詳しくない方でも、ドッジボールやビーチボールの空気が抜けた状態を想像すればわかりやすいでしょうか?
空気の抜けたボールでは遊べないのと同様に、空気圧の低い状態ではクルマは運転しにくくなっています。
さらに、空気圧が低いと燃費にも悪影響を及ぼすことはよく知られていると思います。
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イマドキのタイヤやエアバルブは高品質なので、放ったらかしでも激しく空気圧が低くなることはありませんが、やはり少しずつ空気圧は落ちてきます。
知らず識らずのうちに、ゆっくりと圧が下がっていくだけに、気づきいくいのも厄介な部分です。
微妙な変化ではありますが、徐々に運転がしにくくなっているのは間違いありません!
ある日、なんか運転が上手くいかないな? ヘタになったかな?
と思うようなことがあったら、タイヤの空気圧を疑って見てもいいかもしれません。
今まであまりタイヤの空気圧を気にしたことのない方は、ぜひ次の給油の際に試して見てください。
「自分でやるのはちょっと自信ないわ」という淑女は、フルサービスのガソリンスタンドで店員さんに「空気圧の調整をお願します♡」と伝えるだけでもOKです。