自動車用のエンジンとして、非常に数多くの種類が生み出されてきた。
その理由は動力性能の追求、搭載性の都合、生産と設計の共通化など、さまざまである。
それらを踏まえ、現代まで生き残ったものがあり、消滅していったものがある。
ここでは各種のV型エンジンを、機械的な構成から紹介していこう。
第6回はV型エンジンの点火順序=Firing Orderについてだ。
TEXT◎MFi ILLUSTRATION◎熊谷敏直(KUMAGAI Toshinao)
バンク角とクランクによっては例外も存在する
基本的には対向するバンクを交互に行き来するように設定される。180 度スローのV8やV12のように片バンクで成立する形式は、直列の点火順序をベースに互い違いにする。90 度スローV8 のように片バンクでは等間隔着火とならない場合は、クランクピンを共有する気筒をセットにしてトータルで等間隔になるように設定する。メーカー発表の点火順序は、シリンダー番号の付け方がメーカーによってバラバラなので、注意が必要である。