昨年10月に公開され、大反響を得ているNinja ZX-25R。コロナウイルスの影響で、先行発売する予定だったインドネシアでの実車発表がどうやら遅れているようで、情報も滞りがちだ。今回はその待機時間を埋める意味で、今得られる情報から、Ninja ZX-25Rが生まれた背景などを探り、この超絶マシンへの理解を深めてみたい。
インドネシアと日本、Ninja ZX-25Rの捉え方の違いとは
インドネシア市場での250ccスポーツはカワサキの生命線
インドネシア人にとってNinja ZX-25Rは高級外車!?
日本人にとっては気軽なエントリークラスとして250ccは独自の価値があるが、これは世界的に見れば割と特殊な部類である。欧米のエントリークラスは500-600ccだし、インドでは250ccは高級車である。ではインドネシアはどうかというと、コミュータークラスのバイクでさえ2~3年のローンを組み購入するのが普通のため、250ccクラスのスポーツバイクは実は「高嶺の華」なのだ。つまり、そこそこの収入がなければ買えないぜいたく品であり、現地を知るライター曰く「日本で例えるなら7、800万円クラスの外車」といったイメージだという。
つまりインドネシアでは、Ninja ZX-25Rは富裕層向けの高級車。日本でいえばNinja H2のようなマシンであり、売るほうも買うほうも気合いの入り方が日本とはまったく違うというわけだ。
パワーは夢の50PS達成か??
シャシーはスーパーバイクマシン譲りの性能か
車体に関しては試乗までその評価を待たなければならないが、マキシスクーターや自社Ninja250との差別化を図るため、相当に気合の入った装備を採用しているし、実際Ninja ZXを名乗るわけだがら、その走りは既存の250cc2気筒勢とは一線を画しているはずだ。その証拠に、3月に発表されたティーザームービーでは、ワールドスーパーバイク5連勝中のジョナサン・レイをライダーに起用している。これはカワサキの自信の現れ、「サーキットで存分に攻めてください」というメッセージと取っていいだろう。それを補完するように、3月末には、将来のワンメイクレースも見越してフルカーボン外装をまとったレーシングコンセプトマシンも公開されている。