新型ハリアー登場で話題をさらったのも束の間、トヨタの次の矢が放たれた。TNGA GA-BプラットフォームのSUV、「ヤリスクロス」が発表されたのだ。これで、トヨタのSUVラインアップが完成! ライバルにつけ入る隙を与えない完璧な布陣となった。日本での発売は2020年秋、欧州では2021年半ばの発売を予定している。
最後のピース=ヤリス クロス
ジュネーブ・ショーで発表される予定だったトヨタのコンパクト・クロスオーバーが発表された。TNGAのいまのところもっとも小さいプラットフォームであるGA-Bプラットフォームを使う「ヤリスクロス」である。車名通り、同じGA-Bを使うヤリスのクロスオーバー版という位置づけだ。
当初、欧州向けと考えられていたが、発売は日本が先、欧州が後になる。
上の記事にもあるように、いままでトヨタが日本国内で販売しているSUVは
トヨタ・ブランド:ライズ/C-HR/RAV4/ハリアー/ランドクルーザープラド/ランドクルーザー/ハイラックス
レクサス・ブランド:UX/NX/RX/LX
と計11車種だった。ここでは、ラダーフレームを持つクロカン系を除いたSUV(ライズ/C-HR/RAV4/ハリアー/UX/NX/RX)について考えていこう。
これまでも「ほぼ完璧なトヨタ/レクサスのSUVラインアップ」だったわけだが、下の図を見てもわかるように、じつはライズとC-HRの間に「隙間」があったのだ。
ヤリス クロスは、まさにこの隙間を埋める、トヨタSUVラインアップの「最後のピース」なのだ。
ヤリス クロスが入ると、ラインアップはこうなる。
これまでも全長4m切りのライズ(ダイハツ・ロッキー)から4890mmのレクサスRXまで、全長900mmの間に7モデルも用意していた。ここにヤリス クロスが加わることで8モデルとなったわけだ。
ライズからRXまで全長順に書くとこれまではこうだった
3995→4385→4495→4610→4640→4740→4890mm
これが
3995→4180→4385→4495→4610→4640→4740→4890mm
となったわけだ。
895÷7で128mm。ほぼ全長13cm刻みでSUV/クロスオーバーモデルをラインアップしているのだ。
この範囲をマツダなら
CX-3:4275mm
CX-30:4395mm
CX-5:4545mm
CX-8:4900mm
ホンダなら
ヴェゼル:4330mm
CR-V:4605mm
日産なら
ジューク:4135mm
エクストレイル:4690mm
(ジュークはまもなくキックスに入れ替わる)
スバルなら
XV:4465mm
フォレスター:4625mm
こうみると、いかにトヨタのSUV/クロスオーバーのラインアップが緻密に構成されているかわかる。
完成形をずらっと横並びで見てみよう。
次は、全高の比較だ
クロスオーバーと呼ばれるクルマは、全高1550mm以下が多い。今回のヤリス クロスは、1560mm。
こうしてみると、ライズ(全長3995mm)からRAV4(4610mm)の間には、オフロード志向のSUVがないことがわかる。ここに、UXよりさらに小さいレクサスSUVが入る余地がある? と言えないこともない。
8モデルのプロフィールをまとめてみた。
この表を見ると、トヨタのSUVラインアップで次にモデルチェンを受けるのは、レクサスNXということになる。NXはTNGA GA-Kプラットフォームになるだろうし、ホイールベースは2690mm、全長は4780mm程度になると予想する。
価格はどうなる?
最後に価格の予想。
上の表は、トヨタSUV8モデルの価格帯を示したものだ。赤い部分は、まだ価格が発表されたいないヤリス クロスとハリアーの予想だ。
トヨタモデルとレクサスモデルは明確に価格帯が被らないようになっている。
さて、ヤリス クロスの価格だ。ヤリスの価格は、1.0ℓモデルを除いた1.5ℓ(コンベとハイブリッド)の価格は154万3000~249万3000円。ヤリス クロスは、これよりやや上の価格帯になると予想できる。
1.5ℓ(コンベのFF)モデルで190万円台
1.5ℓ(ハイブリッドのAWD)モデルで260万円台
C-HRの1.2ℓターボモデル:FF236万7000〜AWD286万3000円
C-HRのハイブリッドモデル:FFが273万円〜299万5000円(S GRスポーツは309万5000円)
である。
勝手な予想では、
ヤリス クロス1.5ℓFF:190万円台
ヤリス クロス1.5ℓハイブリッド E-Four:260万円台(C-HRにないE-FOURモデルがあるから)270万円台の可能性もあると予想する。