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MAZDA6、マツダの旗艦モデルの競争力は健在か? 2.5ターボに乗って考える


マツダの最上級セダン/ワゴンであるMAZDA6は、トップグレードに2.5ℓターボであるSKYACTIV-G2.5Tをラインアップしている。2012年登場(そのときは国内はアテンザ)のMAZDA6は、2020年春もマツダの旗艦モデルたりえているか。

セダンかワゴンか?

リヤゲートは最近流行の電動開閉式ではない。このあたりはデビューが2012年であることを感じさせる

 MAZDA6に試乗するのは、2018年11月以来である。その時試乗したのは、セダンのディーゼルエンジン搭載モデル、XD L Packages(AWD)だった。その時も、「次はワゴンボディに乗りたい」と思っていたのだが、ようやくそれがかなった。今回の試乗車は、WAGON 25T S Packageである。


 次はワゴンに、と思ったわけは、セダンよりワゴンの方が少し短く、その分扱いやすいだろうと思ったからだ。MAZDA6ワゴンは全長×全幅×全高:4805mm×1840mm×1480mm、ホイールベース:2750mmとなかなか堂々たるボディサイズだ。


 現行BMW 3シリーズツーリングが全長4715mm、ボルボV60が全長4760mmm、VWパサートヴァリアントが全長4775mmと書けばMAZDA6ワゴンのサイズがわかるだろう。それでもセダンと比べると全長で60mm、ホイールベースで80mmワゴンの方が短いのだ。MAZDA6セダン、とても気に入ったのだが、「もう少し小さければなぁ」と思ったのがワゴンを選んだ理由のひとつだ。

MAZDA6のセダンとワゴンを比べてみると、全長は60mm、ホイールベースは80mmワゴンが短い。とはいえ、室内空間はワゴンが狭いわけではなく、少しアップライトに座らせることで室内長が30mm短いのをカバーしている

 セダンとワゴンでホイールベースを変えて作り分けるこだわりがマツダらしいが、このMAZDA6もデビューは2012年だからずいぶんとモデルライフが長くなっている。その間、何度か大きな改良を受けていて、とくに内装はデビュー時とはまったく違うクオリティへと文字通り「改良」されている。


 今回、再びMAZDA6に乗せていただこうと思ったもうひとつの理由は、2019年8月の「アテンザ→MAZDA6」への改名時にラインアップに加わった2.5ℓ直4ガソリンターボを試してみたかったからだ。こちらについては後述する。

全長×全幅×全高:4805mm×1840mm×1480mm ホイールベース:2750mm

トレッド:F1595mm/R1585mm 最小回転半径:5.5m
車重:1590kg 前軸軸重940kg 後軸軸重650kg


 セダンと比べると短くなったボディ(とホイールベース)だが、伸びやかで美しいプロポーションはさすがマツダ。最小回転半径はセダンが5.6mなのに対してワゴンは5.5mと違いはわずか。ホイールベースが80mmもセダンより短いが、175cmのドライバーが前後に座っても後席膝まわりには握り拳1個分の余裕があった。セダンより少しアップライトに座らせるパッケージだ。

6速ATギヤ比 1速:3.487 2速:1.992 3速:1.448 4速:1.000 5速:0.707 6速:0.600 後退:3.990 最終減速比:4.441

 通常、リヤの開口部が大きいワゴンはセダンよりもボディ剛性の面で不利だと言われる。MAZDA6はどうか? 街中〜高速道路、郊外路を350kmほど走ったが、ワインディングやサーキットを「激走」していないので、剛性面でワゴンが劣るとはまったく感じなかった。

175cmのドライバーが運転席に座り、175cmの乗員が後席に座ると膝の前にはこぶし1個分ほどの余裕がある
インテリアの質感は上々。フロントシートは電動。運転席&助手席シートベンチレーション、シートヒーター付き


トランク容量は通常時で506ℓ 最大1648ℓ 奥行き1070mm 最大1970mm 最小横幅1020mm

 トランクスペースはセダンでも充分だったが、ワゴンは容量よりも、より使い勝手がよくなっていると感じだ。とはいえ、リヤゲートの電動開閉が装備されていない(されていなくても個人的にはまったく不自由しないのだが)のは最上級モデルとしては他社のライバル車に対して不利なところかもしれない。ボンネットフードを開けた際にも、ボンネットダンパーがついていない(これまた、多くの人はきっとボンネットを開ける機会がほとんどないだろうから実際に不自由なことはないのだが)のもちょっとマイナス。なんといっても、MAZDA6はマツダの最上級モデルなのだから。

エンジン回転数は90km/h巡航で約1900rpm、100km/hで約2150rpm、約2300rpm。

 今回のもうひとつの目的は、SKYACTIV-G2.5T、つまり2.5ℓ直4ガソリンターボとMAZDA6との組み合わせを見てみることだ。エンジンについては、下記の記事に詳しくレポートした。このSKYACTIV-G2.5Tは、従来の3.7ℓV6を代替するダウンサイジング過給エンジンで、マツダは「4.0ℓV8NA並み」だと言っている。その主張は試乗しても、その通り、と肯けた。


 マツダのダイナミック・プレッシャーターボは、本当にターボラグをまったく感じさせない。エンジンのフィールな滑らか。ひとたびアクセルを深く踏めば即座に420Nmの大トルクを味わることができる。非常に気持ちいい。

重い(!)ボンネットフードを開けるとこう見える。マツダのフラッグシップなのだから、フードにはダンパーをつけてほしい。

エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ エンジン型式:PY-VPTS型 排気量:2488cc ボア×ストローク:89.0mm×100.0mm 圧縮比:10.5 最高出力:230ps(169kW)/4250rpm 最大トルク:420Nm/2000rpm 過給機:ターボチャージャー 燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI) 使用燃料:レギュラー 燃料タンク容量:62ℓ

ご興味のある人はあまりいらっしゃらないと思いますが、これがエンジンカバー
裏側はこうなっています


「やっぱりガソリンエンジンはいいな」と感じさせてくれるが、その代償として燃費はそれなりだ。


WLTCモード燃費:12.4km/ℓ


 市街地モード 9.3km/ℓ


 郊外モード 12.6km/ℓ


 高速道路モード 14.3km/ℓ


 がモード燃費の数値で、試乗を通してモード燃費の85-90%の達成率だった。


 今回の試乗では350km走って総合燃費は10.5km/ℓ(達成率約85%)だった。都内をうろうろすると8-9km/ℓ、高速道路を淡々と走れば13-14km/ℓである。4.0ℓV8エンジンと思えば充分すぎる燃費だが、MAZDA6には、世界最高レベルのSKYACTIV-D2.2がある。4.0ℓV8エンジンを欲しがるのはアメリカ人だけで、日本人(と欧州の人たち)は、SKYACTIV-D2.2の方を好むのではないかと思う。


 NV(ノイズ・バイブレーション)は、もちろんこの2.5ℓターボの方が優れている。朝、自宅ガレージでイグニッションをONにしてエンジンをかける時は、「ああ、やっぱりディーゼルよりガソリンだよな」と思うが、逆にいえばそう思うシチュエーションは存外少ない。


 価格が2.5ガソリンNA<2.5ガソリンターボ<2.2ディーゼルになっているなら納得できるが、この2.5ターボはディーゼルより高い価格設定になっているのだ、


 ということで、2.5ℓガソリンターボはとてもいいのだが、ディーゼル嫌いでなければ、SKYACTIV-D2.2を選んだ方がいいと思う。少なくとも私ならそうする。

インテリアの質感はとてもいい。マツダ・コネクトは相変わらず、「もっとよくなってほしい」新世代のMAZDA3とCX-30のものにアップデートしてほしい

 MAZDA6のデビューは2012年だ。2020年春に、マツダのフラッグシップとしての競争力はあるか?と問われたら、まだある。が、そろそろ次が登場してもいいな、というのが正直な感想だ。


 ボディデザイン、インテリアの質感は依然として素晴らしい。とくにインテリアの質感は2012年デビューのほかのモデルと比べたら驚異的に良い。


 しかし、いつも指摘せざるとえないナビやコネクティビティは、もうフラッグシップとして完全に物足りない。MAZDA3やCX-30が次の世代に移行しているのをみるとなおさらそう感じる。

いつも感じるのだが、これより大きなスケールのときに渋滞情報が知りたいのだ・・・

 走りに不満はまったくないが、たとえばNV。CX-30の風切音の小ささとロードノイズの室内への侵入の少なさ、MAZDA3(もちろんCX-30も)のシートの出来の良さなどを経験してしまうと、MAZDA6も早く新世代へ移行してほしいと思う。


 たとえばオーディオ。11スピーカーのボーズサウンドシステムを標準で搭載していたが、MAZDA3の標準オーディオの方が良い音がするように私には感じられた。これも、世代がひとつ確実に変わったからだろう。

ボーズサウンドシステム(AUDIOPILOT2+Centerpoint2)+11スピーカー が標準で付く。いろいろ設定をいじってみた
エディ・リーダーのボーカルが心地よいフェアグランド・アトラクションの1990年の作品「ラストキッス」


ギタリストのバジー・フェイトンとキーボーディストのニール・ラーセン、のユニット、ラーセン=フェイトン・バンドのセカンドアルバム。1982年の作品。70's、80'sの音楽はやはりいい

 当初噂されていた2020年のFR化は2022年中へ先延ばしされてしまった。期待の直6SKYACTIV-Xを積んだ後輪駆動のMAZDA6の登場まではまだ2年待たなければならない。


 エンジンもSKYACTIV-G2.5Gよりも直6のSKYACTIV-Xが載ったMAZDA6の方が魅力的に思える(まだスペックすらわかっていない段階だが)。




 今回試乗したの25T S Packageの価格は431万7500円。たいてい広報車には目一杯メーカーオプションが追加されていて、オプションだけで百万円なんて例も少なくないのだが、 25T S Packageは完全にフル装備だ。オプションはなにもついていなかったが、シートヒーター(前後)、ステアリングヒーター、アダプティブLEDヘッドライト、ボーズサウンドシステム……


およそ考えられる装備はなんでもついていた。


 225/45R19というペッタンコなタイヤを履いていても乗り心地もいい。


 結論は、現行MAZDA6はまだ競争力はある。が、次への期待が大きすぎてちょっと厳し目に見てしまう。個人的に選ぶならワゴンのディーゼルである、としておく。

ディテールまで美しいのはさすがマツダ・デザイン

個人的にはセダン好きなのだが、MAZDA6はワゴンのほうがまとまりがいいと感じる

WLTCモード燃費:12.4km/ℓ  市街地モード 9.3km/ℓ  郊外モード 12.6km/ℓ  高速道路モード 14.3km/ℓ

非常に美しくかつスポーティに見える

MAZDA6 WAGON 25T S Package


全長×全幅×全高:4805mm×1840mm×1480mm


ホイールベース:2750mm


車重:1590kg


サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rマルチリンク式


エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ


エンジン型式:PY-VPTS型


排気量:2488cc


ボア×ストローク:89.0mm×100.0mm


圧縮比:10.5


最高出力:230ps(169kW)/4250rpm


最大トルク:420Nm/2000rpm


過給機:ターボチャージャー


燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)


使用燃料:レギュラー


燃料タンク容量:62ℓ




WLTCモード燃費:12.4km/ℓ


 市街地モード 9.3km/ℓ


 郊外モード 12.6km/ℓ


 高速道路モード 14.3km/ℓ


車両価格○431万7500円

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