開催中止になった第47回東京モーターサイクルショーでお披露目されるハズだった市販予定のCBR250RR。2020年型のニューカラー登場ではあるが、漏れ伝わる情報によると心臓部にも手が入られている……らしい。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)
取材協力⚫️株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
◼️これが現行モデル。カラーバリエーションは4タイプ。
◼️7月市販予定の次期ニューモデル。
◼️心臓部の熟成に期待できそう!(写真はいずれも現行モデル)
写真からもわかる通り、カラーリング変更される次期ニューモデルに違いは無い。MCショー出展用に準備されたのは既に見慣れたグランプリレッド(ストライプ)とグレアホワイトの2機種。カラーグラフィックの変更はそれほど大胆な物では無く、現行モデルのイメージが踏襲されているが、ゴールドにドレスアップされた前後キャストホイールを採用。グレアホワイトの方はフレームが、鮮やかな赤に塗られた事もあって、全体的にその印象は大きく立派に見える。
このクラスのスーパースポーツバイクにおいてはプレミアムモデルの筆頭に位置するだけに、手を抜かない丁寧な仕上がりは流石である。
しかも! とある筋によると、どうやら新型では心臓部にも若干手が加えられているようだ。現時点で詳細は一切明かされていない。また外から判断できる内容ではないのだが……。
あくまで推測の域を出ないが、昨年の東京モーターショーで公開されたカワサキ・Ninja ZX-25R(4気筒エンジン)に少なからず刺激を受け、なんらかの熟成による商品力アップが図られていると考えるのが正解ではないだろか。
CBR250RRに搭載されている水冷右サイドカムチェーン式DOHC4バルブの直列2気筒エンジンは、ボア・ストロークが62×41.3mmというショートストロークタイプ。アルミシリンダースリーブを始め、モリブデンコーティングが施されたピストン、そしてクラス初の電子制御スロットルを採用。ホンダが培ってきた高回転高出力発揮の技術力を積極導入して完成されている。
吸排気系や電子制御のチューニングで出力特性を変えるはたやすいだろうが、総合的にこれ以上の性能や商品力の向上は難しい。
考えられるとすれば、ピストンクラウン等、燃焼室の設計変更で、少しだけ圧縮比を高めてくるかもしれない。現行モデルの使用燃料は無鉛ガソリンなので、それをキープしたままのチューニングを考えると、圧縮比は現在の11.5対1からせいぜい12.0あたりまでではないか。
それに伴い燃料噴射系が刷新される可能性も考えられる他、スリッパークラッチやクィックシフターの導入も商品力アップを図る順当な手段と言える。ただし、予定される販売価格差(価格の高騰)はそれほど大きくは無さそうなので、あまり欲張った期待を抱くことはできないだろう。
とは言え、ホンダが示すであろう手堅い商品力アップには、大いに期待できると思うのである。
来る3月27日(金)からは「Honda バーチャルモーターサイクルショー」が公開される。その中で次期CBR250RRも登場する。その中で少しは概要が見えてくるのかもしれない。