昨年の第46回東京モーターショー2019でプロトタイプが世界初公開。ホンダブースを訪れた観客の熱い視線を集めたCT125の市販バージョンがついに登場した。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)
取材協力⚫️株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダ・CT125・ハンターカブ.......440,000円
⚫️イメージスケッチ
まさに待望のモデルと言って良い。先ずはグローイングレッドから新発売。販売計画は国内・年間で8000台だが、既にバックオーダーを抱えており、今直ぐ注文しても納車は秋以降になるというほど。ヒット商品間違いなしである。
簡単にルーツを振り返ると1968年デビューのCT50、そして1981年のCT110がある。いずれもスーパーカブがベースだが、レッグシールドがはぎ取られ、アップマフラーをマッチした剥き出しのエンジンが特徴。オフロードへも誘える遊び感覚たっぷりなモデルである。
今回も市場からの熱烈ラブコールに応えるべく新開発された。車体は先にリリースされたC125がベースだが、車高が高められ、ホイールベースも10mm延長。よりしっかりと剛性感の高いフレームワークを始め、各部の装備も多くの専用部品が奢られている。
エンジンベースはタイで販売されているWAVE125だが、C125対比でトルクアップを図った出力特性を始め、一次減速と二次減速も異なり、低めの総減速比が与えられている。さらにキック始動を可能としている点も魅力的である。
サスペンションもロングストローク化されているし、堅牢なリヤキャリアや前後ディスクブレーキの標準装備等、CT125開発陣の意気込みの強さが、しっかりと見て取れる仕上がりだ。
開発のキーワードは「気軽に、楽しく、どこへでも」である。
プレスリリースには“自然をゆったり楽しむ、トレッキングCub” と明記されているが、まさに自由自在、オーナーの好みに応じて好きなように楽しめるバイクと見た。
これを愛用すれば、次はどのような休日を楽しんでやろうかと、プランを練るだけでもワクワクしてくるではないか。そんなフレンドリーなバイクと言えよう。
残念ながら未試乗だが、シートに跨がるとスーパーカブシリーズの中では一番大柄で立派な乗り味を直感する。シート高は800mm。カブとしては高めだが、足つき性には問題なく、むしろアップハンドルを手にして走る時の見晴らしの良さが気持ち良い。
さらに言うと、シート前方部の両肩が面取りされている部分とライダーの大腿部内側とが絶妙にフィットする。アンダーボーンタイプなのでニーグリップはできないが、そのおかげで上体の安定が得やすい上、シートへ加わる体重が分散され、尻への負担が軽減されて長距離での座り心地も良さそうだった。
そしてもう一つ、アクセサリーパーツの豊富さも見逃せない魅力である。自分仕様のオリジナルマシンに仕上げられる楽しみも侮れない。
次回レポートはアクセサリー装着モデルについて言及する予定。後の試乗記も含めて乞ご期待である。
⚫️ディテール解説
◼️CT125 車体サイズ
◼️主要諸元◼️
車名・型式: ホンダ・2BJ-JA55
全長(mm):1,960
全幅(mm):805
全高(mm):1,085
軸距(mm):1,255
最低地上高(mm):165
シート高(mm):800
車両重量(kg):120
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):
61.0(60km/h)<2名乗車時>
67.2(WMTCモード値)<1名乗車時>
最小回転半径(m):1.9
エンジン型式:JA55E
エンジン種類:空冷 4ストローク OHC 単気筒
総排気量(cm3):124
内径・行程(mm):52.4×57.9
圧縮比:9.3
最高出力:6.5kW [8.8PS] /7,000 rpm
最大トルク:11N・m [1.1kgf・m] /4,500 rpm
始動方式:セルフ式(キック式併設)
燃料供給装置形式:電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):5.3
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式: 常時噛合式4段リターン(停車時のみロータリー式)
変速比:
1速:2.500
2速:1.550
3速:1.150
4速:0.923
減速比(1次/2次):3.350/2.785
キャスター角:27°00′
トレール(mm):80
タイヤサイズ(前/後):80/90-17M/C 44P / 80/90-17M/C 44P
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式/スイングアーム式
フレーム形式 :バックボーン
製造国:タイ