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ひと目でわかる! メルセデス・ベンツAクラスの使い勝手を徹底チェック!


その魅力をひと言でいうならば、圧倒的な上級感と先進性だ。2枚の大型ディスプレイを組み合わせたコクピットなど、新型Aクラスはコンパクトモデルとは思えない未来感を味わうことができる。一方で、居住性や荷室など乗用車として基本的な部分でもクラスをリードする実力を備えている。




TEXT●工藤貴宏(KUBO Takahiro)


PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)




※本稿は2020年3月発売の「メルセデス・ベンツAクラス/Bクラス/CLAのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

■取材車のプロフィール


ボディカラー:ジュピターレッド


インテリア:ブラック レザーDINAMICA


メーカーオプション:レーダーセーフティパッケージ、ナビゲーションパッケージ、AMGライン(AMGスタイリングパッケージ/Mercedes-Benzロゴ付きブレーキキャリパー[フロント]/ステンレスアクセル&ブレーキペダル[ラバースタッド付]/本革巻マルチファンクションスポーツステアリング[パドルシフト付]/レザーDINAMICA シート/DINAMICAインテリアトリム/18インチAMG5ツインスポークアルミホイール/マルチビームLEDライトアダプティブハイビームアシスト・プラス)

〈COCKPIT〉圧倒的な先進性と上級感

10.25インチと大きな液晶ディスプレイが2つ並ぶインストルメントパネルがコンパクトカーの概念を覆す先進性を感じさせる。

上位モデルに続いて、大型の液晶パネルがついにAクラスにも搭載された。いっぽうで丸型のエアコン吹き出し口がスポーティな印象をもたらし、光沢ブラックのパネルや緻密な仕立てのスイッチ類などがプレミアムな雰囲気を作り出している。コンパクトクラスとは思えない上級感も自慢だ。

運転席に対して外側(右ハンドルでは右側)へロータリー式のライトスイッチを置き、安全のために「オフ」がないのもメルセデス流儀。隣に電気式駐車ブレーキのスイッチも組み込む。

スターターボタンはドライバーから見て車両の内側(右ハンドルでは左側)に配置される。アイドリングストップシステムの作動を停止するボタンが併設されているのも機能的だ。

アクセルペダルは吊り下げタイプ。AMGライン装着車はラバーのすべり止め付きのステンレスアクセル&ブレーキペダルを組み合わせる。フットレストはかなりの大型サイズだ。

オーバーヘッドコンソールにはルームランプや読書灯とそのスイッチに加え、Mercedes meやSOSコ ールなどワンタッチでオペレーターに接続できるボタンも組み込まれる。そのボタンは運転席から手が届きやすい位置なのがポイント。

シフトセレクターの前進用レンジは「D」のみとし、エンジンブレーキを利かせたい状況など任意のシフト操作はパドルで おこなう。
シフトセレクターはステアリングコラムに支持されたレバー式。ハンドルを持っ たまま指先を伸ばすだけで動かせる独自アイデアだ。


上部をセンターパネルのコ ントローラー(黒い部分を指先でなぞって操作する)とし、下はオーディオや音声認識機能の発話スイッチ。
右側のステアリングスイッチはクルーズコントロールの操作に加え、メーターパネルの画面を操る役割も担う。黒い四角がタッチボタンだ。


センターコンソールにはインフォテイメントシステムを操るタッチパッドを中心としたレイアウト。その周囲は右上からオーディオの オン/オフ&ボリューム、ナビ画面呼び出し、オーディオ画面呼び出し、電話や登録した機能を呼び出すボタン(★マーク)、車両設定、 カメラ呼び出し&切り替え、そして走行モード切り替えスイッチが並ぶ。タッチパッドは、スマホ感覚の直感的な操作をこなせる(ステアリングスイッチの黒いボタンも同様)。

「ダイナミックセレクト」と 呼ぶ走行モードは燃費重視の「Eco 」、快適性に最適化した「Comfort」、機敏な走りの 「Sport」、そして組み合わせを自分好みに設定できる「individual」の4タイプを用意。エンジン&トランスミッション制御、パワーステアリング 制御、そしてスタビリティコントロールの制御の3つの要素が切り替わる。

〈METER PANEL〉先進性だけでなく多機能も自慢

従来のメーターの概念から抜け出した、10.25インチの横長のフル液晶メーターがドライバーを未来へと誘う。しかし、見逃せないのは単に先進的というだけではなく、高い機能性が備わっていることだ。パネルサイズは左右310 ㎜×高さ120 ㎜と大きい。

〈SPORTY〉メーターのテーマは3タイプに切り替え可能。「スポーティ」はアンバーの文字が特徴のシンプルデザイン。

〈PROGRESSIVE〉指針をなくし、数字と円状のバーグラフで速度と回転数を示す「プログレッシブ」。先進性を印象付ける。

地図を画面いっぱいに表示するレイアウトも用意されている。その際は、上部の中央に速度(デジタル表示)が移動する。下部に水温、シフトポジション、運転支援機能、そして燃料計&航続可能距離といった車両情報を通常通りに表示する。

〈CLASSIC〉シャープな目盛りと文字盤周囲のリングをコーディネートする「クラシック」。精悍な印象だ。

メーターは表示エリアが左(速度計部分)と右(タコメーター部分)、そして中央部分と3分割されていて、それぞれが独立して表示項目を設定できる。表示項目はナビ、トリップ(ドライブ情報)、オーディオ、先進運転支援機能など多岐に及ぶ。

警告の割り込み表示など、中央部分には左右画面にはない表示項目も用意されている。

ショートカットメニューを活用し、履歴などからナビゲーションの目的地設定も可能。
ドア開けの注意喚起など、ドライバーに知らせるべき車両情報はホップアップ表示される。


フル液晶メーターの特徴でありアナログメーターには真似できない高機能といえるのが、表示を変化させることだ。Aクラスでもメルセデスの上位モデルと同様に、表示を左右と中央の3つのエリアをそれぞれにわけてオーナーの好みに応じて表示項目を選択できる。

速度+表示オフ+時計
ドライブ情報(燃費)+ナビ+エコ表示


オーディオ(ラジオ)+車両情報+運転アシスタンス
ドライブ情報(燃費)+運転アシスタンス+ナビ


時計+エコ表示+燃費
ドライブ情報+オーディオ(ラジオ)+車両にかかる重力の変化


〈INFOTAINEMENT&AC〉圧倒的な先進性と上級感

センターディスプレイもメーターと同じく10.25インチ。しかしメーターと異なるのは、タッチパネルが採用されていること。つまり、ステアリングスイッチやセンターコンソールのタッチパッド操作に加え、画面をタッチしての直感的な操作も行えるのだ。機能としては、ナビゲーションやオーディオをはじめ、エアコン詳細設定、さらには車両情報表示や車両設定など多くの機能を備え、人工知能による学習機能も活用した対話型の音声認識機能を活用するMUBXも他モデルに先んじて組み込まれている。

車両には通信端末が内蔵され、専門のオペレーターがドライバーとの会話で周辺レストランなどの情報を教えてくれる「Mercedes me」のサービスにも対応。
ナビゲーションも大きな画面に表示されるから見やすい。タッチパネルなので、スクロールや目的地の住所入力なども日本車に近い感覚で行える。


オーディオの作動状況もわかりやすく表示される。ラジオ視聴時は放送局のアイコンまで表示。ちなみにCD/DVDスロットは非搭載だ。
車両の機能設定などもこの画面を活用して行う。大きなイラストが描かれるので機能内容がわかりやすいし、設定作業も機能的だ。


Aクラスのグラフィックに添えて、ブレーキやアクセル開度(ドライバーがブレーキやアクセルを踏んでいる量)も表示可能。
エンジンが発生している出力やトルクをアナログメーターバーグラフ表示。さらにブースト圧(ターボの圧力)やバッテリーの電圧も確認できる。


平均燃費とともに、燃費履歴もバーグラフで1分ごとに刻んで表示可能。運転や道路の状況による燃費の変化が一目瞭然だ。
現在地などの天気予報も、本日だけにとどまらずこの先10日間にわたってチェックできる。これも通信機能の活用例だ。


取扱説明書も内蔵されている。電子取扱説明書のメリットは、検索機能が優れていることと、大きな字やグラフィックで見やすいこと。
インフォテイメントの操作はタッチパネル、ステアリングスイッチ、音声入力、そしてセンターコンソールのタッチパッドから可能。タッチパッド後方(写真左側)にはパームレストも設置。


驚いたのは、先進安全システムの働きを学べる動画まで用意されていること。写真や文字ではなく動画で効果を理解できるメリットは大きい。
エアコンは左右独立温度調整式のフルオート。設定温度は0.5度刻みで調整でき、そのスイッチは操作性重視の上下に倒すタイプだ。さらに、MBUXの活用で「暑い」と発話すれば設定温度を下げるなど音声コントロールできるのも先進的かつ安全に寄与する。


センターコンソールの後部には、後席用のエアコン吹き出し口も用意している。

パーキングアシストリヤビューカメラは通常の画角のほか、左右約180度まで見渡せる広範囲の画面にも切り替え可能。通常画面では、ステアリング操作に連動した進路予測線に加え、センサーからの情報に基づいた障害物の注意喚起(黄色や赤の線)もあわせて画面上に表示する。オプションで車両全周囲を映す「360°カメラシステム」も用意している。

広範囲ビューは左右視界が広いので、駐車枠からバックで出るときに安全確認がしやすい。
通常ビューは、センサーによる障害物警告も表示。車体真横の障害物まで検知するのがポイント。


〈COMFORTABILITY&ACCESSIBILITY〉スポーティな運転感覚と、実用的な後席

着座位置の低いフロントシートに座ると、スポーティな雰囲気を重視していることが理解できる。一方リヤシートは、日常的に3 〜5名乗車するファミリーユーザーの期待にも十分応えてくれる空間が用意されている。撮影車両は「AMGライン」装着車なので、標準タイプよりもスポーティな形状のシートを装着。

「スポーツコンパクト」のAクラスだけに、運転ポジションは着座位置を低くしたスポーティなスタイル。ステアリングの調整範囲が広いのも印象的だ。「AMGライン」としてひときわスポーティなデザインのシートを組み合わせた撮影車両は、大きく強硬に作られた脇腹のサイドサポートにより包まれ感が強い。座面は硬めのチューニングだ。

身長の大きいドライバーに対応しロングドライブの疲労を軽減するため、フロントシートの座面は先端が可変式だ。腿をしっかりと支えてくれることで疲れにくい。
乗車中にシート電動調整(前後/上下)をわずかに動かし続けて身体に刺激を与え、同じ姿勢を長く続けることによる疲労を緩和する「シートキネティックス」を搭載。


3段階のシートヒーターや電動調整機能 (『A180スタイル』以上に標準装備)のスイッチはドアトリムに組み込む。電動調整機能は3パターンのメモリーポジション付き。

標準シートは、より開放的なデザイン。AMG 用のハイバックシートとは異なり高さ調整式のヘッドレストを組み合わせる。
セダンは「AMGライン」でもヘッドレスト別体のシートを採用。スポーティさを追求したハッチバックとイメージを分けているのだ。




着座位置が低いフロントシートは沈み込むように乗り込む感覚。ドアの開き方などの工夫により、ドアを開く軸となるヒンジ付近(ドア前方)でもドア開け時に車体とドアの隙間が広めなので乗降姿勢のわりには足先がドアトリム下に接触しにくく、足の出し入れがしやすい。後席は前席に比べると足元の空間が少ないが、このクラスとしては平均的な水準。一方の頭上は、開口部の天井付近が水平に近い(後方に向かって下がっていない)ので頭をぶつけにくいのが好印象である。前席開口部に装着されているステップカバーはイルミネーション付きだ。

「AMGライン」装着車のリヤシートは3人掛けも可能だが、ヘッドレストを一体化し2人掛けを前提としたバケットタイプのデザインが独特。見た目ほどタイトではないが、身体が接する部分を抉って姿勢保持性を高めているのがいい(旋回中も左右に振られにくいし座り続けてもお尻がずれにくい)。着座位置は低めで座り心地も硬めの設定。頭上にもしっかりスペースが確保されている。

中央席のヘッドレストは高さが3段階調整式だ。シートベルトは巻取り部が背もたれに内蔵されたタイプ。
頭上のアシストグリップ脇に読書灯を内蔵。MBUXによる音声操作でも点灯/消灯できる。


ISOFIX対応のチャイルドシートを取り付けるバーは、開口部が広くて内部までよく見える構造。したがって取り付けやすい。
ひじを置いてリラックスできるセンターアームレスト。先端にはドリンクホルダーが組み込まれている(次のページの「収納スペース」参照)。


〈バニティミラー〉サンバイザーの裏には、運転席/助手席ともに鏡を組み込んでいる。開けると連動して天井に埋め込んだダウンライトが点灯する樹脂製のリッド付き。
〈ロケイターライティング〉暗い場所での乗り降りの際に、ドアミラーの下に埋め込んだライトが足元を照らしてくれる。作動のオン/オフや点灯時間などは好みで調整可能だ。


〈Mercedes meコネクト〉スマートフォンからクルマにアクセスし遠隔操作でドアロック/アンロックできるほか、ナビの目的地設定、駐車位置確認、窓やテールゲートの開閉状態確認などがスマホ画面で行えるサービス。(写真はドイツ仕様のイメージ)
〈キーは非接触型〉モダンなデザインのキーは、携帯しているだけでドアロック解除やエンジン始動ができる非接触型。電池切れやバッテリーが上がった際などに対応するための、機械キーも内蔵している。


〈ワイヤレスチャージャー〉センターコンソール最前部のトレーには、Qiという規格の非接触充電器を内蔵。ケーブルを接続せずに、置くだけで対応するスマートフォンを充電できる。
〈後席用USBアウトレット〉センターコンソール後部の開閉式小物入れ脇に、後席用のUSBアウトレットを内蔵。形状はこれから普及していく規格の「USB Type-C」。


〈AdBlue補給口は給油口脇に〉多くの国産車と異なり、フューエルリッドはドアロックに連動して開錠される仕掛け。運転席で開ける必要がないのが便利だ。ディーゼル車は尿素水の補給口がある。1000㎞走行ごとに1ℓほど消費するが、タンクは20ℓ以上あるので頻繁な補給は必要ない。
〈アクティブパーキングアシスト〉駐車時のハンドル操作に加え、ギヤチェンジ、アクセル、そしてブレーキまで動きを自動化。車庫入れをアシストしてくれる。縦列駐車にも並列駐車にも対応し、センサーを駆使するから狭い場所でも安心だ。


〈STORAGE〉後席まで快適にする便利な小物入れの数々

ドリンクホルダーは各席(後席中央席を除く)に2個ずつ用意するなど、収納スペースも豊富に揃っている。いずれもベーシックなスペースだが、使いやすさがギュッと凝縮されている印象だ。

グローブボックスは充分な容量で、エアコンの風を導いて冷やすクールボックスとしても活用できる。同じ車体サイズの多くの国産車と異なり、盗難対策(車上荒らしの被害にあってもグローブボックス内は守られる)としてリッドはキーロック可能だ。

ドライバーから手が届きやすい位置で、運転用のメガネやサングラスを収納するのに便利なオーバーヘッドコンソールボックス。ただし厚みはない。

サンバイザーの裏には、パーキングチケットを挟むのにも便利なクリップタイプのカードホルダーを用意。運転席だけでなく助手席にも備えて いる。

ドイツ車で採用例が多い、助手席足元のネットポケットを用意。ネットの利点は、コンパクトデジカメやメガネケースのように厚みのあるアイテムもしっかりホールドすること。飲み物も収納可能。

センターコンソールは2本のドリンクホルダーに加え、その前方(奥)に非接触充電器を内蔵したトレーを用意(USBアウトレット付)。いずれもスライドシャッター付きだからスマートに隠せる。

センターコンソールボックスは観音開き(ボタンを押すと開く)のリッドを組み合わせる。内部には2つのUSBアウトレットが用意され、いずれも形状はType-Cだ。

ネットを張ったシートバックポケット。B5サイズのノートが実際よりも小さく見えてしまうほど、大きなポ ケットなのが実用的だ。

センターコンソール後部にある、開閉式の小さなポケット。たとえば、USB Type-CとマイクロUSBの変換ケーブルの常備場所としても便利そうだ。

後席アシストグリップには、コートやジャケットを掛けるためのフックも設置されている。ウインドウエアバッグ展開時に危険なので、「ハンガー」は使わないこと。

後席センターアームレストの先端に内蔵するドリンクホルダー。ここにドリンクホルダーを置くメリットは、手を伸ばすだけで飲み物に手が届くこと。

フロントドアの収納はゆったりサイズのペットボトル入れと十分な厚みがあるポケット。撮影用に置いている黄色い冊子はA5サイズだ。

後席ドアポケットはペットボトルホルダーに特化。斜めに収めるペットボトルは、意外にも腕の動きに沿うので出し入れしやすい。

〈LUGGAGE COMPARTMENT〉後席使用時の容量は先代比29ℓ増の370ℓ

全長が限られるコンパクトハッチバックにとって、ラゲッジルームはいかに効率よく積載性を高められるかが開発陣の腕の見せどころ。新型Aクラスは広さに加え、シートアレンジの工夫も効いている。

後席使用時の床面の奥行きは810㎜あり、幅は1050~1265㎜。ホイールハウスがコンパクトで、全幅の割に左右幅が確保されている印象だ。先代に比べると荷室フロア長が11.5㎝伸びていて、370ℓという容量はライバルに相当するBMW「1シリーズ」やフォルクスワーゲン「ゴルフ」の380ℓと同等。床付近には前後ふたつずつ、合計4つの金属製で割れにくいフックが備わっている。



リヤシートは中央と左右で3分割して倒せる、40:20:40分割式。中央だけを倒した、いわゆる「アームレストスルー」はアームレスト部分だけでなく中央部が広く倒れるので開口領域が広いのが特徴。ここを利用すれば、4人乗車のままゴルフバッグを1個積載可能だ。さらには左右まで含めた60:40分割状態にも発展できる。「60」に相当する部分を倒した状態では3個、「40」側を倒すと2個のゴルフバッグを積載可能。

後席を倒した際の荷室の奥行きは、前席を身長168 ㎝のドライバーの運転ポジションにあわせた状態で1640㎜。倒したシート部分は傾斜が残るが、荷室床の前方へスロープを付けるアイデアで後席部分との境目に段差を設けずに済んでいるのが合理的な設計だ。

後席背もたれをほぼ垂直に立ててロック可能(向かって右側の状態)。これは後席を畳むことなく、人が乗れる状態をキープしたまま荷室容量を最大とするアイデアだ。ただし乗車姿勢が窮屈なので移動は短時間にとどめたい。
後席中央部分だけを倒すアレンジは、スノーボードを車内へ積むシーンや、キャンプなどへ出かける際に長尺ものをなんとか室内へ載せる状況で役立つことだろう。筆者の経験から断言できるのは、開口部が広いのは便利だということ。


トノボードも採用する。床からトノボードまでの高さは450㎜ほどで、これはハッチバックのトノボード下やセダンのトランクリッド下ではごく一般的な天地高。トノボードを外すと、床から天井までの高さは740㎜となる。
左側(助手席側)の壁にはフック、荷室を照らすランプ、そしてDC12Vアクセサリーアウトレットなどが用意されている。


壁のホイールハウスよりも後方部分は抉ってあり、ネットのポケットとなっている。このネットは降ろして荷室幅を拡大可能。
同様に右側のホイールハウス後方にもネットを張ったポケットを用意。洗車アイテムを片付けるのにも役立つ。


安全のためのアイデアが、すぐに取り出しやすい位置(床面最後部)に三角表示板の格納スペースがあること。万が一の際に、サッと取り出して使えるのだ。
床下にも収納スペースが用意されている。スペアタイヤの積載はなく、パンク時は修理キット(穴をふさぐ薬剤と電動空気ポンプ)で対応する。


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