トヨタのグランエースは、全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mmというビッグサイズの高級ミニバンだ。乗車定員はPremiumが6名、「G」グレードが8名になる。グランエースのライバルはなにか? と言われれば、それはやはり「メルセデス・べンツVクラス」だろう。サイズとパワートレーンを比較してみよう。
まずは大きさ比較 どちらも5mを大きく超える!
トヨタ・グランエースのボディサイズは
全長×全幅×全高:5300mm×1970mm×1990mm
ホイールベース:3210mm
というビッグサイズだ。高級LLサイズミニバンといえば最初に思い浮かぶトヨタ・アルファード/ヴェルファイアだが、こちらは
■トヨタ・アルファード
全長×全幅×全高:4945mm×1850mm×1935mm
ホイールベース:3000mm
だから、「LLサイズ」というより「XXLサイズ」と表現した方がいいのかもしれない。
対するメルセデス・ベンツVクラスは3つの仕様が存在する。
■メルセデス・ベンツV220dアバンギャルド
全長×全幅×全高:4905mm×1930mm×1930mm
ホイールベース:3200mm
■メルセデス・ベンツV220dアバンギャルドロング
全長×全幅×全高:5150mm×1930mm×1930mm
ホイールベース:3200mm
■メルセデス・ベンツV220dアバンギャルドエキストラロング
全長×全幅×全高:5370mm×1928mm×1909mm
ホイールベース:3430mm
なっている。最も小さい(それでも大きい)メルセデス・ベンツV220dアバンギャルドのライバルは、トヨタ・アルファードのライバルになるだろう。グランエースのライバルは、メルセデス・ベンツV220dアバンギャルドロングとなる。なぜなら、グランエースより大きなVクラスのエクストラロングは、受注生産となるなど、あくまでも特別なモデルという位置づけだ。ここでは、Vクラスのロングと大きさ比較をしてみよう。
Vクラスのロングとエクストラロングで違うのはホイールベース。フロント(895mm)リヤ(1045mm)のオーバーハングはロングとエクストラロングとも同寸だ。
グランエースとVクラスロングは、全長は150mmもグランエースの方が長いがホイールベースはグランエースの3210mmに対してVクラスロングは3200mmとわずか10mmしか違わない。つまり前後のオーバーハングがグランエースの方が長いのだ。
となれば、気になるのが小回り性。
グランエースの最小回転半径は、わずか5.6m ! なのだ。トヨタ技術陣のこだわりでグランエースの前輪は45度も切れる。これがこの小回り性の高さに現れている。
対するVクラスロングの最小回転(欧州の数値なのでターニングサークルの直径)は12.5m。測定方法が違うから単純に半分にすればいいわけではないが、どうやら最小回転半径はグランエースの方が小さいと言える。
フロントから見てみよう。
画角が違うから厳密な比較はできないが、グランエースの方がスクエア。Vクラスの方がSUVチックなフロントフェイスとなる。
全幅は
グランエース:1970mm
Vクラスロング:1930mm
全高は
グランエース:1990mm
Vクラスロング:1930mm
となっている。全幅で40mm、全高で60mmの違いは思いの外大きい。
パワートレーンの比較へ行く前に、一番大事な価格を比べてみよう。
トヨタ・グランエース Premium (6名乗り)車両価格●650万円
メルセデス・ベンツV220dアバンギャルドロング(7名乗り)車両価格●764万円
である。インテリアの違いも写真で見てみよう。
パワートレーンを比べてみよう
グランエースのエンジンは、2.8ℓ直4DOHCディーゼルターボの1DG-FTV型。
最高出力:177ps/3400rpm
最大トルク:450Nm/1600-2400rpm
対するVクラスロングは2.1ℓ直4DOHCディーゼルターボのOM651型(2.0ℓ直4DOHCターボ=M274型搭載グレードもある)。
最高出力:163ps/3800rpm
最大トルク:380Nm/1400-2400rpm
である。
どうやら、ドイツ本国ではOM651から2.0ℓのOM654型へエンジンはスイッチしているようだが、日本仕様は2.1ℓのOM651型を使う。
車重は
グランエース:2740kg
Vクラスロング:2420kg
だから、
パワーウェイトレシオは
グランエース:15.48kg/ps
Vクラスロング:14.84kg/ps
トルクウェイトレシオは
グランエース:6.09kg/Nm
Vクラスロング:6.37kg/Nm
となっている
組み合わせるトランスミッションは
グランエース:6速AT
Vクラスロング:7速AT
である。
いまさら、なのだが、グランエースもVクラスもエンジン縦置きのFR(後輪駆動)のレイアウトを採っている。