2020年2月4日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は11月に開催される国連気候変動会議(COP26)の関連イベントで、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンを搭載した乗用車とバンの販売を禁止する期日を5年前倒し、2035年にすると発表した。果たしてこれは実現可能な計画なのだろうか?
あと15年で、その計画は実現可能なのか?
イギリスの現状はどうなっているのか?
意欲的な目標だが、これは実現可能なのだろうか?
そのイギリスだが、SMMTのデータによれば、2020年1月の販売台数は、
ディーゼル:2万9605台
ガソリン:9万1836台
BEV:4054台
PHEV:4788台
HEV:8941台
MHEV(ディーゼルベース):4591台
MHEV(ガソリンベース):5464台
となっている。BEV(バッテリーEV。つまり電気自動車)のマーケットシェアはわずか2.7%にすぎない。これを前年同月比の増減率で表すと
ディーゼル:マイナス36.0%
ガソリン:マイナス9.5%
BEV:プラス203.9%
PHEV:プラス111.1%
HEV:プラス20.6%
MHEV(ディーゼルベース):プラス721.3%
MHEV(ガソリンベース):プラス215.5%
と、ディーゼルの減少ぶりが際立つ。そして増減率をみると電動車両(バッテリーEV、PHEV、HEV=ハイブリッド車、MHEVdiesel=ディーゼルエンジンを積むマイルドハイブリッド車、MHEVpetrol=ガソリンエンジンを積むマイルドハイブリッド車)の普及が急速に進んでいるかに思える。
高価なBEVがこのペースで販売台数を増やしていくのは、充電網の整備だけでなく、なんらかのインセンティブ(販売奨励)がなければ難しい。果たしてジョンション首相に勝算はあるのだろうか?