2019年12月23日、名機EJ20を搭載したスバルWRX-STIの注文受け付けが終了する。そこでMotor-Fan.jpでは、結果的に最終モデルとなった現行WRX STIを振り返る短期連載をお届けする。最終回は、フォルクスワーゲン・ゴルフやメルセデスベンツAMG CLA45とスペックやユーティリティを数値と写真で横比較する。
PHOTO●中野 幸次(NAKANO Koji)/平野 陽(HIRANO Akio)
※本稿は2017年7月発売の「新型WRX STIのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。
WRX STI Type S
全長:4595mm
全幅:1795mm
全高:1475mm
ホイールベース:2650mm
ミラー to ミラー:2030mm
開口高:680mm
インパネは「T字型レイアウト」で端正。上部中央にMFDと呼ぶ5.9インチの液晶画面をインストールし、前方からわずかに視線を下げるだけで車両情報を確認できる。センターコンソールはS4とは別設計だ。
形状は「S4」と同様だが赤をアクセントにしたシートを標準採用し、シートベルトも赤でスポーティに演出。「Type S」には快適性とホールド性を高いレベルで両立したレカロシートもメーカーオプションとして選ぶことが可能だ。
VDA測定で460ℓもの大容量。9インチサイズのゴルフバッグ4つを飲み込む実用的なスペースだ。機内持ち込みサイズのバッグなら5つ収納できる実力。
WRX S4 2.0 GT-S アイサイト
全長:4595mm
全幅:1795mm
全高:1475mm
ホイールベース:2650mm
ミラー to ミラー:2030mm
開口高:680mm
「STI」との違いはタコメーター、ステアリング(スイッチと下部のSTIロゴ)、シフトレバーとその周辺など。パーキングブレーキもサイドレバー式のSTIとは異なり電動式を組み込んでいる。
フロントシートの形状は全車共通だが、表皮はファブリック/トリコットの「2.0GT」に対し、「2.0GT-S」はウルトラスエード/本革で上級な仕立て。電動調整機能も標準で備わるが着座位置はあまり低くはならない。高い後席居住性も自慢。
ラゲッジスペースは「STI」と同様。後席は左右6:4分割で前倒しでき、その際は自転車1台を寝かせて積むこともできる。CLAに比べると開口部も広い。
AMG CLA 45 4MATIC
全長:4595mm
全幅:1780mm
全高:1430mm
ホイールベース:2700mm
ミラー to ミラー:2045mm
開口高:660mm
丸形のエアコン吹き出し口などでスポーティ感を演出。ナビ画面はオンダッシュ装着でタブレット端末のようなデザインだ。通常のCLAはシフトレバーがステアリングコラムから生えるが、CLA45はフロアに置く。
撮影車両は前席にオプションのAMGパフォーマンスシートを装着。フルバケットシートのような姿勢保持性能とスパルタンな雰囲気をもたらす。低い着座姿勢も特徴だ。後席は頭上がタイトで、Cピラーの影響で側方視界も狭い。
内張りの張り出しが大きくてWRXよりも狭く見えるが、奥行きの長さもあってVDA測定容量はWRXより大きな470ℓ。後席は中央部だけの貫通もできる。
ゴルフR ヴァリアント
全長:4595mm
全幅:1800mm
全高:1465mm
ホイールベース:2635mm
ミラー to ミラー:2035mm
開口高:680mm
メーターからセンターパネルにかけての「逆L字」デザインでドライバーを囲む感覚。センターパネルはドライバーに傾けて操作性と画面の視認性を高めている。ナビ画面は9.2インチと大型でメーターもフル液晶だ。
「R」にはサイドサポートの張り出しが極めて大きく見るからにスポーティなフロントシートが備わる。とはいえ左右幅広いから見た目ほどのタイトさはない。後席はヘッドクリアランスに余裕があり、乗車姿勢が最適なのも長所だ。
後席使用時でも650ℓ(ISO測定)という広さ、そして後席格納時の床面に段差が生じないなど実用性の高さはさすがステーションワゴン。積載力は抜群だ。