アウディは11月27日、フラッグシップSUVの「Q8」に、トップパフォーマンスモデルとなる「RS Q8」を設定し、欧州では2020年の第1四半期に市場に導入すると発表した。欧州市場での販売価格は12万7000ユーロ(約1530万円)からの予定だ。
0-100km/h加速は並のスポーツカーを凌ぐ3.8秒をマーク
旗艦スーパースポーツの「R8」やRSモデルなどの開発・製造を手がける「アウディスポーツGmbH」でマネージングディレクター、オリバー・ホフマンはRS Q8について次のようにコメントしている。
「アウディRSモデルの25年の歴史において、今回初めて真のハイパフォーマンススポーツカーの遺伝子を備えた大型SUVクーペが誕生しました。ツインターボV8エンジンを搭載したアウディRS Q8は、最もプレステージ性の高いRSモデルです」
パワーユニットは600psと800Nmを引き出す4.0LV型8気筒ツインターボエンジンに48Vシステムを組み合わせるマイルドハイブリッドで、8速AT(ティプトロニック)を組み合わせる。
これにより、0-100km/h加速は並のスポーツカーを凌ぐ3.8秒を実現。最高速は250km/hでリミッターが作動するが、オプションのダイナミックパッケージを選択すると305km/hを実現する。
「クワトロ」フルタイム四輪駆動システムは、機械式のセンターディファレンシャルを採用。通常時は前後アクスルに40対60の比率で駆動力を配分し、スリップが発生すると、トラクションのかかっているアクスルにより多くのトルクが自動的に配分。この場合、駆動力の最大70%をフロントホイールに、最大85%をリヤホイールに配分する。
標準装備の電子制御ダンパー付きアダプティブエアサスペンションは、サーキットトラックやオフロードの走行にも対応した設計。ダンパーはRS専用にチューニングされ、快適性重視からスポーティな走り重視まで、幅広い設定が可能となっている。また、運転状況やドライバーの好みに応じて車高を最大90mmの間で変化させることができる。
走行モードは「コンフォート」、「オート」、「ダイナミック」、「エフィシエンシー」、「オールロード」、「オフロード」、個別に設定可能なRS専用の「RS1」および「RS2」の計8モードを設定。RSモードは、ステアリングホイールに設置された「RS MODE」ボタンによって直接呼び出すことができる。
アウディドライブセレクトは、選択されたモードに応じて、エンジンとトランスミッションの制御、パワーステアリング、エアサスペンション、オールホイールステアリング、エンジンサウンド、オートエアコンディショナーなどの特性を変化させる。
後輪操舵システム「オールホイールステアリング」も標準装備。これはは、高トルクの電動スピンドルドライブと2本のトラックロッドを介してリヤホイールを動かすもので、低速域では取りまわしの良さを確保するためにリヤホイールがフロントホイールとは反対方向に最大5°まで操舵。一方高速域では、フロントホイールと同じ方向に最大1.5°操舵することによって、車線変更時の安定性を向上させる。
標準装備されるタイヤは295/40R20サイズで、10スポークのスターデザインアルミホイールを組み合わせるが、オプションで23インチタイヤ&ホイールを装着することが可能だ。
最高速度を305km/hに高められるオプションのダイナミックパッケージプラスを選択すると、シャシー設定もさらにスポーティなものになる。このパッケージには、エレクトロメカニカル アクティブロールスタビリゼーション、クワトロスポーツディファレンシャル、RSセラミックブレーキシステムが含まれている。
エクステリアでは、ハイグロスブラックのRS専用フロントグリルやサイドエアインレット、ハイグロスブラックのブレードさ採用され、RSモデルであることを主張。前後フェンダーにはRS専用のトリムストリップが装着され、ボディはフロントで10mm、リヤで5mmワイド化された。
リヤビューではハイグロスブラックのディフューザークリップを備えたRS専用リヤスカートと、RS専用オーバルテールパイプが特徴的。RSルーフエッジスポイラーはリヤアクスルにダウンフォースを生み出し、高速走行時の安定性に寄与する。
インテリアではデジタルメーターパネル「アウディバーチャルコックピット」がRSモデル専用となるほか、RSのエンボス加工が施されたブラックパールナッパレザー&アルカンターラのスポーツシートを採用。パーフォレーテッドレザーを張るフラットボトム形状のステアリングホイールもRS専用のデザインとなり、アグレッシブな走りを掻き立てる。
このほか、コネクテッド機能に対応したアウディ最新のインフォテイメントシステムやドライバーアシスタンスシステムが導入されている。